新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

耳の穴、かっぽ汁。

2月4日
TVCM改訂作業。
MAルームでの作業。

映像の編集はノータッチで
音声のみの編集をする。
いわゆる差し替えってやつだ。


音ってやつは不思議なもので
何度か聞いているうちに
違和感があったものが
無くなってしまったり、
違和感が無かったものが
急に違和感を持ってしまったりする。
映像でもあることだが、
音声の方がその確立が高い気がする。

で、つまり、その分神経を
集中させないとならない訳だ。
音の強弱などのバランスを含めて
見えない音を判断していくのは
非常に疲れるもの。


往々にしてMAという音の作業は
映像の編集にあてがわれる時間と比べて
短いのが常である。
映像よりも音声の方が
OKの許容範囲が広いからだ。
しかし、さっきも書いたが
気になってしまうと
ずっと気になってもしまうのも事実。
また、これくらいならいいか…と
思ってしまうのも事実。
誰も気付かないなら
俺だけの気のせいかもと。

でも、やっぱり直したい。

その直しにかかる時間や手間を計算して
枠の中で出来る作業だと判断できれば
ミキサーさんにお願いする。

「もう少し、音の位置を下げて…」

とかだ。

助手でついた仕事だと
そうそうポンポン直しを発注できないけど
せっかくというか、演出を任されているのだから、
やっぱり気になるのなら言わざるを得ない。
ちょっとした直しでグッと良くなったなら
この上なく嬉しいし。



昔、助手をしていた時、
ある監督さんが言っていた。
”耳は想像以上にデリケートな器官だよ
 すぐに壊れてしまう大切な器官。
 でも、壊れたか壊れてないかが
 気が付きにくい器官でもある”

その監督は、その頃(今でもだが)流行っていた
mp3がそんな耳を壊していると危惧していた。
常に音楽を聴いている状況や
大音量で聞いたりしている状況を。

特に監督、演出する人間になるのなら
耳を大事にしないといけないよ。

と、言っていた。

その時は、なるほど、とか、
へー、とか思っていた。

そんな話しをMAの度に思い出す。
ちょっとした音、
小さいけど大事な音。
そんな些細な音まで聞き逃さない耳。

自分の耳が壊れていないように願う…





さて、明日はVPの取材。
フルドラマVPの取材だ。
どんな話しが出てくるか…
非常に楽しみである。



じゃ!