新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

二人だけのサンタクロース。

12月24日
昼間からクリスマスのディナーを作るため
奥さんがキッチンから離れられないため
午前、午後と子ども二人を連れ
公園をはしごする。

娘は、今日はイブでとか
明日がクリスマスでとか
絶対に分かってないだろうけども
さすが幼稚園児の息子は、
今日があの日で、
明日があの日なんだと
承知している様子だ。

というのも
朝から非常にまれに見る
良い子を息子は演じており
言われたことには、
いちいち「はーい!」と答え、
不平不満のひとつもこぼしやしない。
公園の希望を聞いた時も
「パパが行きたい公園でいいよ!」
とか言うし、
いや、行きたい公園なんて無いから
で、凧揚げをしに広い公園に行くことにした。


公園内でも息子はすこぶる良い子で
娘から目を離すなと言えば、
身体が離れても
チラチラと娘の行き先を気にしてくれる。


これが演技であろうが、
本気であろうが構わない。
これほどの行為を見せられて
尚、プレゼントを肉にするぞ!なんて
言うことは出来ない。




午前中から仕込んだだけあって
今日のディナーには力が入っていた。

鳥の丸焼きである。

ちょうど、ケツからライスを入れ
なんとも言えない風味がライスに乗り移り
素晴らしい味を香りを出していた。
子どもは少し引くかもしれないと勘ぐったけど、
二人とも大興奮して平らげる。

「クリスマスプレゼント終わりだね」

「え?」

「だって、肉でしょ。」

「えー!嫌だよ、そんなの!」

「嘘だよ、嘘。サンタさんは
 ○○くんたちが寝てから来てくれる予定だから」

「そか、わかった!」


「サンタさん、○○くんの
 ゲキバズーカー持ってきてくれるかなぁ」

「大丈夫だよ、手紙にも書いたし、
 パパがこないだ電話しておいたから」

「楽しみだなー」

「寝てないと来ないからね。 早く寝るんだよ。」





と、21時過ぎには就寝する子どもたち…







12月25日
朝6:00

ふいに、もぞもぞする息子を感じ
目を覚ますと
目の前に半身を起こした息子が
寝ぼけた顔して
辺りを見回していた。

まだ、太陽が昇りきっておらず
部屋中真っ暗だ。

だが、息子は何か確信めいた視線で
枕元に目を向ける。


「あー!こんなところにプレゼントがあったぁ~!」



今回、息子には
ゲキレンジャーのおもちゃを一つ。
成長著しい娘に、おままごとセットを用意した。
幼稚園の知り合いから頂いた
おままごとキッチンとマジックテープで
ザクザク切れる野菜セットが
かなり大きい。
大きさと数で、
息子が嫉妬するかもと思っていたが、
それは、僕が1人っ子だからの思想であったようだ。
息子は、大きいプレゼントが二つも
娘宛になっていたことを

「○○ちゃん、良かったねー!」

と、自分のことのように喜んでいる。
が、当の本人の娘は
朝、6時に叩き起こされて
かなり迷惑そうな表情である。

こっちだって、なんとか起きられたが、
一歩間違えばやばかった。
今年で4回目になるが、
このプレゼントを見つけて開ける瞬間の映像は
毎回、デジカメのムービーで撮影している。
かなり決定的な瞬間が今まで撮影できている。
だからこそ、今年も撮り逃がしたくなかったから、
この朝6時にはまいった。

部屋が真っ暗だから、
その決定的瞬間が、真っ暗なのである。
途中から電気を付けたが、
あの、プレゼントを見つけて
眠たげな目が、
一瞬でカッと見開いて笑顔になる。
そして、歓喜の雄たけび。
この瞬間が、真っ暗なのである。
音声だけが録画されている。


まあ、これはある程度仕方がない。
こんなことすらも、
本来は予想を立てて
おかねばならないのだろう。
映像屋なんだから、
このような突発的な事態でも
臨機応変に対応すべきだった。

と、少し反省。



で、こんな時間に起こされたわけだから
眠くてしかたがない。
でも、耳元で、部屋中で、
ゲキバズーカーの電子音が鳴り響いている。
5分と鳴り止むことが無い。

寝られるわけがない。

娘もおままごとセットをひっくり返しては
カゴにもう一度入れたりしている。

うるさい。

あげくに、皿に野菜やら肉やらの
おもちゃを載せて枕元にやってきて、

「はい、どーぞぉ」

と、おでこに乗せてくれる。
この行為は、

「わー、ありがとう!」

とか言って受け取らない限りは
ほぼ永遠に続けられる行為である。
しかも、受け取ってすぐに返さないと
逆ギレされるのだ。
つまり、はい、どーぞ、と差し出されて、
ありがとう、と受け取ったらすぐに、
はい、どーぞ、と今度はこちらから
差し出してやらないといけないのだ。

これを数回から数十回繰り返す。

これがワンセット。

昔、高校のラグビー部でやった
練習メニューのワンセットの次くらいにキツイ。



しかし、これも、それも、
二人が、サンタから貰ったプレゼントに
満足しているということだろう。

その満足そうな笑顔が
親にとって、一番のプレゼントと
書くとよくある話しなんだが、
本当にその通りであるから仕方が無い。
面倒だし、金もかかるし、
朝早くから起こされる。

でも、みんなチャラ。

これだけ喜んでくれるのなら
全部チャラだ。


サンタに礼を言うなら伝えてあげる。
そして、すぐに返事も伝えてあげる。






こちらこそ、ありがとう。
二人のサンタになれて
本当に良かったよ。





って、言って帰っていったよ。

また、来年も良い子で待っていておくれ。







で、夕方になって
東京ミッドタウン
イルミネーションを見に行ってきました。

綺麗でした。

でも、子どもを連れまわすべき場所ではないね。




じゃ!