新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

バスが怖い。

12月10日
クリスマスプレゼントを買いにトイザラスに行く。
息子のプレゼントはネットで購入したのだが、
どうしても娘用の物が、
ネットでは見つからず行くことにした。

が、購入する場面を子供二人に
見せるわけにはいかない。
だって、このプレゼントは
サンタクロースからの物だから。
ふらりと、トイザラスに入り、
目当ての物を見つけると
奥さんと俺とで二手に分かれることにした。

「ママはちょっとトイレに行くから」

と、購入する場面を見せないように。
また、トイザラスの袋を見れば
娘は気付かなくとも、
息子は確実に気が付くであろうから、
わざわざ自宅から別な袋を持参した。
奥さんがプレゼントを購入して、
外で商品を別の袋に入れるまでは
別行動をしなければならない。

「パパ、どうしてトイザラス来たの?」

「え?○○ちゃんのプレゼントを
 まだサンタさんにお願いしてなかったから
 どれが良いか見にきたんだよ。
 ○○くんのプレゼントは
 ゲキバズーカーで良いんだよね?」

「うん!これがいい!」

「よし、サンタさんも間違えないと思うよ」

「やった!」



娘はまだ、2歳になる手前。
詳しいことは良く分かっていない。
サンタの存在すら分かっていないだろう。

でも、これでいいのだ。





駅ビルにある
自然派食材のレストランで飯を食い
バスで自宅まで帰宅。
日はとっぷりと暮れており
辺りは真っ暗だった。
街のネオンが綺麗で
息子は窓際を占領してかじりついた。

が、娘にはこの情景が
目に入らなかった様子だ。

バスが動き出した途端に泣き出した。
泣き出すだけならいざ知らず
バスの中で暴れ狂い出した。

「こわいぃぃぃー!」

バスが停車する度に泣き止み、
また、発車する度に大泣きして暴れる。
何度、抱いても諌めても
慰めても怒ってもダメ。

暗いから怖いのか?
バスの騒音が怖いのか?
運転手の面倒臭そうな
アナウンスが怖いのか?


「怖いって、どうするの?
 降りるの?降りたいの?」

「おりるぅぅぅぅぅ」

「…仕方無い。降りよう…」


あんまりにも大騒ぎするし
車内の迷惑もあるが、
ここまで怖がるのも尋常じゃない。
抱っこすると、
そのドキドキした心臓が伝わってくる。


息子と奥さんをバスの乗せたまま
僕は娘と二人、バスを降りた。


去っていく奥さんと息子を見て
また大泣きした娘だが、
もう、怖くなくなったらしく、
数分すると泣き止んだ。


「○○ちゃんが降りたいって言ったんでしょ!」

「うん、わかったぁ…」


そのまま抱っこして
いくつかバス停を歩いていく。
そのままバスを待っていても
次のバスが来るまでに
10分以上あるからだ。

いくつかバス停を過ぎるまで歩いていたら
いつのまにか娘はスースーと寝息を立て始めた。
4つ目くらいのバス停に着くと
ちょうどすぐにバスが来た。
また、泣き出したら…とも思ったが
娘は爆睡している。



爆睡のおかげか
寝たままバスに揺られる。



が、先ほどのバスとの
相違点もいくつか見つけた。
まず、ディーゼル車でなかったので
車体から出る騒音と揺れが少なかったこと。
また、車内の蛍光灯の本数が多く、
薄暗かった先ほどのバスに比べて
格段に明るかったこと。
車内アナウンスがテープであり
声の主は女性であったこと。

肝心の娘は寝てしまっていて
この相違点だけで泣いて暴れた原因を
推し量るのは早計だが、
揺れと騒音に関しては
雲泥の差があったことは確かだ。



「バスの揺れとか騒音が原因じゃないかなぁ…」

「え?じゃ、今度からバス会社で
 バスを選択しないといけないわけ?」

「そうなるかもね…」



昔、ある先輩と子供の話をしたことを思い出した。

”子供ってのは我慢しないんだ、
 嫌な物は絶対に嫌だし、
 おいしくない物は絶対に食べないしね”

娘は○○バス系列には
絶対に乗らないと言うのだろうか…


考えようによっては
ディ○ニー○○ドの
アトラクションよりも怖いかもしれない
あのバスの薄暗さと
運転手のやる気の無いアナウンスは…。




じゃ!