新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ポンタの日

僕は犬。
雑種の犬。
昨日、ケンちゃんの家に
貰われてきた。
ケンちゃんは、
僕がタヌキに似てるからって
『ポンタ』って名前を付けてくれた。

僕はケンちゃんが大好きだ。



との書き出しで始まる絵本がある。
いや、正確に言うとまだ無い。
これは、僕が自分の子供のためにと
書いた絵本の文面だから。
友人に挿絵を頼んではいるが
いかんせん仕事ではない発注。
未だ連絡は無いが、
いつかは完成するだろう。……か?



絵本は『心の栄養』とか
『心のごはん』と言われている。

つまりは、心の形成に絵本(物語)が
必要不可欠であるということだ。
僕が、絵本を作りたいと思ったのは
『心のごはん』だからではない。
僕の経験や印象深かった出来事
知って欲しい、感じて欲しいことなどを
残しておきたいと思ったからだ。
もちろん、自分でそんなことを書かなくとも
日本、世界には様々な絵本があって
中には読み聞かせている大人の方が
グッときてしまうこともあるほどだ。
つまり、絵本は子供にとってだけの
『心のごはん』ではなくて
大人にとっても重要な
『ご飯』であると言える。


僕にはもうすぐ4歳になる男の子と
もすぐ2歳になる女の子がいる。

子育ての中で夜寝る前の
絵本読み聞かせは大切な行事である。
毎晩、寝る前になると
子供たちはめいめい読んで欲しい絵本を持ち
布団に入る。
気に入ると何度も何度も読まされる。
中にはどうしてこんなものがと
思われる内容の絵本もあるが、
子供の心を捕らえて離さないのだろう。

さて、そんな毎晩の読み聞かせ
お気に入りの絵本を日記やweb上の図書館に
登録して記録できるサイトが出来たそうだ。


あの公文式のKUMONが運営する
『mi:te ミーテ』というサイトだ。

      mi:te[ミーテ]

ここで何年の何月何日に
どんな絵本を子供に読んだかや
その絵本の反応などを日記に出来るほか
他の方々のオススメ絵本を参照でき、
日記を印刷して絵本アルバムを
作ることも出来るそうだ。
また、登録された30,000種類の絵本から
あの日に読んだ絵本
読んで見たかった絵本を検索することもできる。

    ミーテ図書館
    ↑ミーテ図書館

    ミーテ絵本登録画面

少しサイトを覗いて見たんだが、
沢山の人の感想が溢れていた。

そんな感想を読んでいると
自分の子供が楽しそうに嬉しそうに
絵本を読んでいる姿がかぶさってくる。



そういえば、昨日は絵本を読んでやらなかったな。
疲れていたり、面倒だったりして
読み聞かせをサボることも多い。
でも、絵本の効果かもしれないが、
寝る前に息子が僕に話しをしてくれた。


「あのねー、大きな虫が出てくるの」

「えー、大きい虫嫌だな。
 パパ虫嫌いだから」

「でしょー、でもね、その大きい虫は
 人たちは食べないから大丈夫なの」

「そーかー、なら安心だね」

「うん。でもねー
 バッタとかカマキリとか
  食べちゃうんだよ」

「へー、すごいねー、大きいからかな」

「そー、もうねー、
 バリバリバリって食べちゃうの」

「怖いね」

「うん、だから、早く寝ようね」

「そうだね」


寝る直前に見た図鑑の影響だろうが、
そこから発想された息子の物語は楽しい。
質問するたびの答えが違うのはご愛嬌だが、
一生懸命に考えて想像する姿が
未だ息子が
ファンタジーの世界にいるってことを
感じさせる。


そうそう、先日は、週末に行われる
幼稚園の発表会に使用される絵本
「ポカポカホテル」を読み聞かせた。
これも子供が描く現実と虚構との
ファンタジーな話し。
お話しはキツネが
自宅のスリッパを盗んでしまい
追いかけていくと
そこにはスリッパをねぐらにした
ポカポカホテルがあった。という内容だ。
しかし、子供たちは
その全体の内容もさることながら、
絵の雰囲気から
他の様々な情報を読み取り発想する。

「はだしでお外出たらダメだよねー」

「お留守番して偉いねー」


逆に全体の内容を
どれほど理解しているのかは
全くわからないけども
子供は子供なりに
絵本から沢山の情報を読み取っている。
大人が思う以上に沢山のことを。


お子さんが小さくて
絵本読み聞かせている方がいらしたら
是非、利用してみてください。
どんなお話しを子供にしてきたか、
急に発想豊かになった理由とか、
聞き分けが良くなった理由とか、
思いやりの心を
持つようになった訳とか…
ミーテの
絵本日記をつけていれば
その子供の
が分かるかもしれません。









僕がこれから作る、作ろうとしている絵本
ミーテに登録される日が来るかどうかは分からない。

でも、きっといつか
絵本にしたかった、
この話しを聞かせる日があるだろう。


ケンちゃんは
おじいちゃんに
連れられていくポンタをずっと見ていた。

ポンタは少しも鳴かなかった。
家ではあれほど鳴き叫んでいたポンタが。

少しずつ遠ざかっていく
おじいちゃんとポンタ。

見えなくなるとケンちゃんは
堪らなくなって泣いてしまった。



太陽がギラギラと照りつける夏の午後。
おじいちゃの運転する軽トラック。

もう荷台にポンタはいない。


ケンちゃんは今日を
ポンタの日 にした。