新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

それが何か?

11月19日
昨日購入したゲキゴリラを組み立てる。
息子が留守の時に組み立ててしまうと
どちらかと言うと組み立てる作業途中を
もの凄く楽しみにしているので
息子の帰宅を待つ。

一つ一つ丁寧に組み立てる。

時折、息子は手を出そうとするが、
そうすることで
台無しになってしまうことを恐れ
じっと俺の手元を見ている。
少しづつ作られていくゲキゴリラ

「それは、手?足? 顔は?」

部品を見ては
どれがどの部分か想像している息子。
よくわからないが、
その部品が形作られていく様は
とても興味深いと感じているのだろう。
娘が部品に手を出そうとすると
えらい剣幕で怒り出し
泣き出すくらい強い力でねじ伏せてもいる。

ああ、こいつも

”作る・造る・創る”という

作業が好きなんだろうな。
そういえば、日々、折り紙やら
トイレットペーパーの芯やらに
テープを付けたり色を塗ったりして
得体の知れないものを作り出している。
先日も紙飛行機を作ってやったら
それにヒントを得たのか知らないが、
お菓子の空き箱に折り紙の羽を付けた
全く飛びそうにない飛行機を見つけた。
そうして、失敗を重ねて
真っ当な代物を作り出すのだろう。

さて、ゲキゴリラが完成すると
息子は早速、自分の持ち物とされる
ゲキトージャを出してきた。

「パパのゲキファイヤーと戦わせようよ!
 どっちが強いと思う?」

ゲキトージャゲキファイヤー
 仲間じゃないの?戦わないよきっと」

「あー、そうか、そうかもしれないね」



ゲキファイヤーにしてもゲキトージャにしても
三つのロボットが合体して完成する。
先日、作ってやったゲキトージャには
あまりの完成度の高さに驚いたものだが、
今回のゲキファイヤー
その完成度は非常に高い。
びっくりするほど稼動部分が多く
かなり多くのポーズを決めることができる。


「ゲキトージャ、パーンチ!」

「ゲキファイヤー、キーック!」



気が付くと、息子と一緒におもちゃで遊んでた。
パンチとかキックとかして…

ガガガガガッ!ズガッ!ボカッ!

とか言って。

すっごく楽しい。

が、俺は子供ではない。
息子は容赦の無い攻撃をしかけてくるのだが、
俺はそもそもが大人だ、
買ったばかりで尚且つ出来たばかりの
ゲキファイヤーをむざむざ壊すわけにはいかない。
多少なりとも費用もかかっているのだ。

だから、壊れてもやむなし的な息子の攻撃は
おのずと俺のゲキファイヤーを弱いキャラにする。

「キーック!」

「あ!
頭が取れた!
 
何すんだよ!強すぎるんだよ!」

「パパ、
ごめんね…

ああ、ごめんいいよ、もう…

って、思わず怒ってしまい猛省。
いつの間にか本気
ロボット遊びをしていたようだ。

いかん、いかん。

って、ことで、
連日、企画書の作成に没頭していたが
息子のおかげか、自分の子供っぽさのために
少し緊張感がほぐれた。

緊張感が。

そう、もう数日、数時間後に
絶対に勝たねばならない企画のプレゼンがある。
頼りのプロデューサーはいない。
応援に二人ほどスタッフを呼んではいるが、
基本的に進行して、
尚且つ、質問攻めに合うのは
俺の役目である。
そして、勝ち取れば、
それは俺のおかげであり
俺の評価であり、俺の仕事だ。

もちろん、負けたら、
その全ての責任は俺にある。

多分、何の失敗も無く終ることは無いと思う
失敗をしないということは
挑戦をしないことと同じである。
挑戦すれば、必ず、失敗はあるのだ。
だが、数多く挑戦すれば成功もあるわけで、
それを狙うのが挑戦だ。

今回、プレゼンの方向は
”強気”で行くと決めている。



そうですけど、
それが何か?みたいな。

食玩で子供と遊んでますけど、
それが何か?みたいな。
うちに発注するのは博打っぽいですけど
それが何か?

本当の狙いに近づけるのは
うちの企画だけですけど
それが何か?







今一度、
企画書を見て、

机上に飾られたゲキファイヤーを見て、

寝室の息子と娘を見て、



絶対に勝つ。
いや、勝たねばならん。

そう、後が無いのだ。

つまり、後先考えるなんて必要ない。
ただ、思い描いたようにやるだけだ。

勝とう。

ジークジオン。

じゃ!