新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

専門用語辞書(作成中)

[あ]
◆アップル・箱馬・ハーフ・クオーター・下駄
(あっぷる・はこうま・はーふ・くおーたー・げた)
木で出来た箱のこと。
アップルから順に厚みが薄くなっていて
下駄とかクオーターなんて
もはや箱ではなく板に近い。
物を底上げするセッシュにも
簡易的な椅子にも使える便利な箱である。
主な管理として、
アップルが照明部、
箱馬が撮影・照明・美術部、
ハーフ・クオーターが
撮影部・照明部のトラックに
乗っている場合が多い。
箱馬とほぼ同じサイズで、
中にパッキンやくさびの入った箱は
便利箱と言われ、
撮影部管理である場合が多い。

借りる際は借りた部署を覚えてないと
後でこっぴどく叱られる。
また、美術部管理の箱馬は
釘などを打ち込んで良い場合が多いが
撮影部や照明部管理の物は
事前に確認を取っておいた方が良い。

◆アングル・フレーム・画角(がかく)
カメラで切り取られた画面のこと。
画角と言うとレンズサイズのことだったりもする。
「画角いくつ?」
ハチゴーです(85ミリのこと)」

慣れてくるとレンズサイズを聞いただけで、
フレームの中身が読めるようになり
カチンコを的確な場所に出せるようになる。

◆アオリ (あおり)

下から見上げるような角度で撮影すること。
このアングルで撮影すると
普通のしていても、
威張っているような印象を与えることができる。
逆に怒っていたりすれば、
高圧的な印象を強く出すことができる。
⇔フカン
⇔たたき(たたく)

[い]
◆イントレ(いんとれ)
撮影用カメラなどを載せる高台。
近年では持ち運びに軽い、
アルミ製が多く見られるが
非常に重い木製や鉄製のイントレもある。
また、撮影用イントレでなくとも
工事現場などで見られる足場用の高台も
イントレと呼ばれることがある。

イントレの語源は
映画「イントレランス」という
映画史において、
初めて高所から撮影したと言われる
映画名からきている。

◆板付き(いたつき
その場にいること。
フレーム内に始めからいること。
そもそも舞台用語で
幕が開いた際に人物が
すでにいる状態のことを言う。

「板付きで芝居初めて」

となれば、その場(フレーム内)から
芝居をスタートさせるという意味になる。

イマジナリーライン・ライン・目線
(いまじなりーらいん・らいん・めせん)

目線を結んだ線のこと。
AさんとBさんの会話を撮影する場合。
AさんとBさんの顔を結ぶ
二人の顔を交互に撮る際、
ラインの片側にカメラを置いて撮影しないと
フレーム内の人物の顔向きが
対話している相手と逆を向いてしまう。


図のような位置で
C-1の次にC-3をつないだ場合を想像して欲しい。
分からないなら絵に描いてみると分かり易い。
見ている方向が、同じになるのが分かるはずだ。
C-1ではAさんは上手を見ている。
C-2ではBさんは下手を見ている。
C-3ではBさんは上手を見ている。

C-2からC-3とつなぐ場合はラインを越えるが
どんでんとはならない。
ラインを問題なく越えるには
いくつかのルールが存在するからだ。

<どんでん>も合わせて参照すること。
<目線>には別の意味もあるので参照のこと。

◆衣装部(いしょうぶ)
映画全体に必要な衣装を担当する。
基本的に”着る”ものが担当なので
帽子や靴、バックは用意しない。
帽子や靴、バック、アクセサリー類は
美術部内の持道具(もちどうぐ)が
担当する。

助監督のセカンドが意思疎通を担当する部署。

◆衣装合わせ・衣小合わせ
出演者を呼んで劇中に着る予定の衣装を着てもらう。
ここで初めて役者と監督が顔を合わせる場合も多く、
役柄についての意見交換などもこの場で行われる。
”衣小合わせ”と書いた場合は
小道具(アクセサリー類)も合わせるという意味がある。

衣装合わせの担当は助監督のセカンドであり
ここでの仕切りが現場の仕切りと直結するので
ここで失敗するとスタッフが心配になる。

[う]
◆うま
箱馬(はこうま)のこと。

<アップル>の項を参照。

◆ウエス
ぼろ布。雑巾。
通常の布でなく、使い古しのTシャツだったり
シーツの切れ端だったりする白い布。
もちろん洗濯済みの布であるが、
そもそもがぼろ布なため、
糸くずが出たりして
劇車(劇用車)などを綺麗に磨く場合には
間違っても仕上げ磨きに使ってはいけない。

[え]
◆演出部・助監督・演出助手(えんしゅつぶ)

名目上、撮影全体のリーダーシップを司る部署。
監督のアシストもするが、
その仕事のほとんどが独立した仕事である。
また、直接演出に関係の無い仕事も多いが
よくよく考えると間接的に演出に関係している。
説明するのがもっとも難しい部署。
以下、簡単に説明すると

監督:演出部のトップ。
作品責任者。クリエイティブな部分の決定権を持つ。
映画においては、宣伝配給にまで力が及ぶ場合もある。
様々な意見を聞き、取り入れ
最良と思われるものを選択する立場でもある。
それ故、関係の無い仕事や質問なども
ありとあらゆるパートからやってくる。
また、唯一下積みを経ないでなれるというのも
監督という仕事が特殊だと言えることの証である。

チーフ助監督
演出部並びに全ての部署への連絡・指示を受け持つ。
時に、サブキャストへの演出やB班の監督なども行う。
また、俳優部や撮影場所などの都合を把握し
撮影全体のスケジュールを組む。
そのスタイルも人によりまちまちで
現場に張り付いて現場を見張るタイプや
現場から一歩離れて
翌日以降のスケジュールや
段取りを進めるタイプ。
大体、悪魔のように恐ろしいチーフは
後者のタイプが多い。(ような気がする、、、)

セカンド助監督
衣裳・ヘアメイク担当。
主に俳優部周りの仕事が多く、
準備の段階で主な仕事が完了する。
そのため、現場では撮影の進行を
任せられることが多い。
また、特機部のいない現場では
移動車を押すのは演出部セカンドの役目である。
現場の要とも言われる。

サード助監督
美術部担当。
作品に登場するありとあらゆる物を
把握しなければならなず大変きわまりない。
また、フォースのいない現場では
カチンコも担当する。

このため、その忙しさは演出部の中で一番である。
が、演出部に入ってすぐに担当するのが
このサード助監督である場合も多く、
作品半ば志半ばで脱落する者も少なくない。

フォース助監督
カチンコ担当。サードのヘルプ。
現在では、ほぼなんらかの間違いでか
極端な安値かで雇われるのがフォースである。
また、大規模な作品になればなるほど
フォースだけでなく、フィフスくらいまでいることもある。
基本的な仕事は、準備期間中はサードの補助で
現場ではカチンコを叩くのが使命。
昔は、奴隷と言われていたくらい
大変過酷な労働を強いられていた。(そうです)

エンドロールに助監督と表記されるのは
チーフ助監督だけである場合がほとんどで
セカンド以下は演出助手、監督補佐などと表記される。
これは、演出部が助監督部では無く
単独で決定権を発動できるチーフが
演出助手の枠からはみ出していることを
如実に表していると思う。
つまり、チーフ助監督は技師であるということだ。
しかし、本来”技師”は一人であり
それは監督以外、他に無い。
そんなねじれた部署が
演出部・助監督というパートでもある。

◆映像業界(えいぞうぎょうかい)
本項では、フリーランスで働く人の多い映像業界での仕事を
発注される際に使われる用語で記載する。
「2Hのセカンドがいないんだけど、やらない?」の
ような時に使われる業界区別用語。

『TV』(てれび)

言わずもがなのTV放送業界のこと。
現状は地上波放送全般のこと。
こっちの業界は業界で
『特番』とか番組よって
また呼び方も様々あるらしい。
『2H』(にえっち)
2時間のTVドラマや『特番』
火曜なんとかとか
土曜なんとかとかのTV映画。
結構映画系のスタッフが
参加していることも多い。
『CS』(しーえす)
CS放送番組。
地上波ではなく衛星放送用の番組。
地上波の番組に比べて
予算が少ないことが多く
イデアと自由度で
勝負をかけている番組も多い。
『CM』(しーえむ)
コマーシャルメッセージのこと。
『CF』とも言う。
CFはコマーシャルフィルムの略。
フィルムにこだわる監督や
制作会社はCMと言わず
”CF”とよく言う。
『本編』(ほんぺん)
劇場公開映画のこと。
規模によって『大本編』とか
『小本編』とか呼ばれる。
ビデオ屋でよくある『劇場公開作品』
と書いてあるものも一応”本編”だが
『劇場公開作品』の文字を載せるために
1週間だけレイトで劇場公開したりする
ちょっとズルな本編もままある。
『Vシネ』(ぶいしね)
ビデオ映画のこと。
劇場公開が目的ではなく、
ビデオ店でのレンタルが目的で
制作される映画。
予算の規模は大きくはないが、
その分、自由度の高い現場も多い。
しかし、その予算規模から撮影スケジュールが
非常にコンパクトで辛い現場が多い。
『PV』(ぴーぶい)
プロモーションビデオのこと。『MV』とも言う。
ミュージックビデオ。
音楽会社がクライアントである場合が多い。
プロモーションということでアーティストの
新曲披露用の広告であったりする。
海外のようにプロモーションビデオだけで
販売されるという形態がない(場合が多い)ので
あまり予算がかけられないのが現状らしい。
『VP』(ぶいぴー)
ビデオパッケージ。販売用のビデオ。
もっとも多い形態が企業VP。
ある企業の会社案内ビデオとか
社員教育用のビデオとかのこと。
一般には目にすることは少ない。
企業独自の社外秘なども含まれる。
店頭で流される
商品説明ビデオなども含まれる。

その他
また最近ではネット配信用のドラマや
DVD販売用のアイドルもの。
着エロと呼ばれる映像作品まで様々あり
ひとくくりにできない状況になりつつあります。

『ジャリ番』(じゃりばん)
『特撮』(とくさつ)
子供向け番組、特撮ヒーロー番組のこと。
ジャリとは子供の俗称で多少卑下した言葉でもあるため
最近ではあまり使われなくなっているそう。
使っている方がいらしたら、その方は漏れなく大先輩です。

『通販』(つうはん)
通販番組。
昔は、外部スタジオで通販番組の制作もされていたが
最近では各社自前のスタジオ、自前のスタッフを持ち
番組を制作していることがほとんど。
仕事内容に大きな変化がなく安定した映像仕事だと言われている。

『動画』(どうが)
YouTubeやインスタ、Twitterなどに投稿される動画。
また、ホームページなどで公開される動画。
企業の営業担当などが資料等として持ち歩く動画マニュアルなど。
昨今、いつでも誰でも動画が撮影できる時代になり
また、映像を公開する場所も数えきれないほどあります。
どこからがプロでどこからが素人なのかという
判別も難しくなってきた状況でもありますね。

プロをお金を貰うこと、だとするならば
この「動画」というカテゴリーの仕事も少なくはありません。
特に動画マニュアルの案件は、増えている傾向にあります。

また、企業が広告用に素人っぽい作りをプロに作らせる
そんなプロモーション手法もありますね。

◆HS (えいちえす)
ハイスピード撮影のこと。
コマ上げとも言う。
出来上がりはスローになる。
カメラの性能によって
何倍まで高速で撮影できるかが違う。

通常の芝居でもHSで撮影して
スローでなく通所のスピードで見せる方法もある。
この場合、同じコマが多く撮影されていることから
通常より滑らかに見える。

通常スピードから急にスローになったり
早くなったりする映像があるが
基本的に全てを撮影しておき、
編集でストレッチをかけるのが普通。

⇔コマ落とし スロー撮影。

<ストレッチ>を参照。

◆宴会 (えんかい)
大変な様。大忙しな様。

宴会がどんちゃん騒ぎなことから
急な発注や方針変更などがおきた場合に

「そんなこと言ったら、大宴会だよ!」

とか言う。

または、
画面の中に照明の足などが
写り込んでしまった場合の意味。
[お]
◆追っかけ・追走(おっかけ・ついそう)
動く対象物を後ろから追いかけて撮影すること。
⇔引っ張り

◆オールスタッフ打ち合わせ(おーるすたっふうちあわせ)
作品に関わる全てのスタッフが
一同に集まる打ち合わせ。
あまり細かな内容が話される場合は少なく、
監督やプロデューサーの所信表明演説的な意味合いが強い。
また、チーフ助監督から全体スケジュールと
決定しているキャストの情報やロケ地情報などが
発表される。
この打ち合わせの仕切りはチーフ助監督の役目。

CM撮影においてのオールスタッフ打ち合わせに
オールスタッフが集まったためしは無い。
基本、監督、撮影、照明の
3つの部署だけで行う場合がほとんどで、
それも、ロケハンの後に行うことが多い。
メインスタッフの拘束日数を増やさない発想と
長くとも完成尺30秒というCM撮影ならではのことである。
CM撮影に助監督が付く場合はほどんど無いので
仕切りは制作部が受け持っている。

[か]
◆カチンコ・ボールド・板・カチカチ・クラッバー
映像と音が別の媒体に
焼付け・収録されるフィルム撮影において
映像と音とをシンクロ・同調させるために
フィルムが回ってから最初に入れる拍子木。
フレーム内で打たれたカチンコの
合わせ目の映像とカチンという音とを
合わせると映像と音とがぴったりと合う。
海外で使用されているデジタルボールドも
日本でも存在するが
カチンコの音で芝居をスタートさせる手法と
フィルムを無駄に使用しないという発想が、
デジタルボールドの普及を妨げている。
あと、長いコードが付いているので
邪魔だという点もある。
また、クラッパーボールドというものもある。
これは、プロモーションビデオや
ミュージックビデオ撮影でよく使われる物で、
カチンと音を鳴らす代わりに
ピカッと光る。
これは現場で音を録音しないで
逆に音楽を流して撮影するためで
音楽の決められた箇所で光り
音楽と映像を合わせるようにするためである。

◆上手(カミテ)・下手(シモテ)
元々は舞台用語で
客席から右を上手、左を下手と言い、
撮影現場の場合ではカメラから見て
右を上手、左を下手と言う。
海外ではファインダーが有る方、
無い方と言うらしい。(未確認)

大体、初めての現場で必ず迷うのが
上手・下手である。
自分を中心に考えていると
ほぼ確実にこの罠にかかる。
「その椅子もっとカミ!(上手の意)」
「違う!逆!バカ!」
と、現場で怒鳴られることもしばしば。
これは、常にカメラを意識して
カメラを中心に現場を考えるということが
大切であることを示している。

◆監督(かんとく)
<演出部>を参照

[き]
◆キャデラック・台車・ドリー
(きゃでらっく・だいしゃ・どりー)
移動車のこと。
鉄やアルミ製のレールに乗せ、
カメラを水平になめらかに移動させるためのもの。
レールに対して台車と基本的に言うが
あえて、台車のことをキャデラックと言うことがある。
キャデラックがあまりにも日常語化したために
他車種の名前をつけて遊んだりもする。
また、レールに乗せずに使用する場合もあり
その際は「タイヤ移動!」と叫ばれる。

特に台車とレールの設置面であるローラー部分は
ちょっとしたガタでも影響が出るため
使用後は裏返して便利箱などの上に乗せ
ローラー部分を地面に付けないよう気を付ける。
同様にレール方も台車を乗せる設置面は繊細で
積み込みや平置きする際は
設置面が傷つかないように置くことが
義務化されている。
間違えると結構な勢いで罵声が浴びせられる。

◆記録・スクリプター (きろく・すくりぷたー)
撮影現場で、最も女性が多い職種。
撮影現場において
撮影されるモノ全て(ほとんど)を
記録する。
撮影された時間とカットごとに
OKかNGかなど、また、NGの理由なども記録している。
最近ではビジコンなどの普及で
つながり問題の確認は容易になったが、
今でも記録さんの記憶力やメモは
現場で最も重要視されている。

また、カット内容を記録することから
編集部との関係も強く、
編集部からの意見やプランなども
記録さんを通して伝えられることがある。

基本的に記録もスクリプター
仕事としては全く同じなのだが、
スクリプターと表記される場合は
スクリプター協会に入っている方であり
協会に入っている方を記録と
表記してはいけないというルールがある。
そのため、記録と表記された場合は
ほぼ確実に協会員ではないといえる。

[く]
◆くさび
小さな三角形の木片。
レールの固定やたわみ・ゆがみの矯正、
勝手に閉まってしまうドアの固定
物体の高さ調整など様々な用途に使われる。
通常、移動車の付属品として
便利箱の中にパッキンと一緒に入っている。

◆クライアント(くらいあんと)
映画撮影においては
あまりみかけることは無いが、
CMやVPなどでは最重要人物。
つまり、その仕事に対して
お金を出した方々であり、
最終決定権を持っている場合もある。

代理店の方は 得意先(とくいさき)と
言う場合も多い。

◆クレーン(くれーん)
撮影機材。
てこの原理を応用してカメラを
高い位置に上げることができる機材。
クレーンの種類によって
チューリップやスカイキングなど
様々な名前があり、その用途も違う。
また、カメラだけを載せて
パンやティルトなどの操作は
地上で行うカメラリモートという方法もある。

設置や使用には特機部が不可欠である。

◆クランクイン クランクアップ
(くらんくいん くらんくあっぷ)

クランクイン、全ての撮影が始まる初日のこと。
クランクアップ、全ての撮影が終る日のこと。

また、役者ごとに撮影最終日が異なることがあるため
個別に現場では

「○○さん、ただいまのカットでオールアップです!」

とか言う。
全シーン全カット撮影終了です!とも。

語源。
そもそも映画用のカメラにモーターが
取り付けられたのは近年のことであり、
それ以前はカメラを手で回していた。
その回す棒がクランク状になっていたため
カメラに棒を刺すことが語源になった。
クランクを入れる(イン)=クランクイン

クランクアップは棒を外すことから
クランクアウトとも言うことがある。
アップは仕事があがる、
上がる→アップ からきた。

どれも一説。

[け]
◆ケツボールド・尻ボールド・ケツカチンコ

撮影の最初でなくて、カットがかかった後に
画面の中で打つカチンコのこと。
打ち込む際、「ケツボールド!」と
大声で叫んでから打つのが慣わし。
こうしないと、カットがかかってカメラやDATが
止まってしまうことがあるからである。
だからケツボールドをする場合は、
事前に撮影部、録音部に断りを入れておく。

「次のカットケツボールドでお願いします!」
「はいよー、ケツボールド!」
「はい、ケツー!」
と、撮影部・録音部は答えてくれるはずです。
また、カチンコ初心者が必ず迷うのも
このケツボールドである。

撮影の始まる前にカチンコ打ちは
撮影部のところへ行き、
日付とフィルムのロールナンバーを入れなければならない。
また、ロールが変わる度にもロールナンバーを入れる。

◆劇車(ゲキシャ)
劇用車のこと。撮影で使用する車両。
現在、法令の関係で劇用車に取り付ける
ナンバープレートは
そのまま使用することになっているが、
プレートには場所を特定するような
情報が入っているため
劇ナン(劇用ナンバープレート)を作成し
物語に沿うものにしていた。
このナンバーで公道を走るのは
もちろん違法であり
また、ナンバーを取り外す行為も違反です。
ので、止めましょう。

[こ]
◆香盤表(こうばんひょう)
撮影の進行順が書かれたスケジュール表。
一日一日の進行が書かれたものや
週間や月間単位で書かれたもの、
小道具や衣裳を中心に書かれたものなど
香盤表の種類は星の数ほどある。
香盤表の語源は別カテゴリー(香盤表)にあります。

◆コーディネーター(こーでぃねーたー)
案内人。
コーディネーターの種類には多数ある。
ロケコーディネーター
フードコーディネーター
医療コーディネーター

演出部・制作部ではフォローしきれない
特殊な分野の案内やアドバイスをしれくる。
本来違う意味だが
アドバイザーとも言われる。

◆コマ コマ上げ コマ落とし
(こま こまあげ こまおとし)
映像は一枚の画像の羅列である。
少しづつ違った静止画をつなげ
人間の目の錯覚である残像現象を使って
動いているように見せている。

映画では基本 1秒間に24コマ。
TVやCMなどの放送形態は 1秒間に30コマ。
8ミリフィルムでは 1秒間に16コマ。
のコマ数で撮影する。

コマ上げとは撮影コマを上げることで
HS撮影のことである。(完成はスローになる)

コマ落としとは撮影コマを下げること。
カクカクした映像が出来る。
早送りのような映像にする場合は
コマを落とすのではなく、
編集機でストレッチをかける方が良い。

<ストレッチ>も参照。
<HS えいちえす>も参照。

[さ]
◆撮照録(サッショウロク)

主だった技術スタッフの総称。
また、エンドロールに表示される順番でもある。
(例外も多くあります)

特に例外がなければ
撮照録編美(サッショウロクヘンビ)と続く。
ちなみに、CM撮影においては
録音部と呼ばないことも多く、
同録とか音声とか呼ばれたりする。
それに対して、激怒する録音部さんもいます。
言語的に考えても同録というのは
同時録音という撮影方法であり
音声というのは音や声という意味であるので
それらを録音する部署という”録音部”と
呼ぶのが正式で正しいと考えます。

◆撮車・照トラ・録車・美トラ
(さつしゃ・しょうとら・ろくしゃ・びとら)

それぞれのパートが使用する車両のこと。
撮車は撮影機材車。単に機材車と呼ぶ場合も多い。
照トラは照明部の機材用トラック。
ミニマムな現場では照ハイ、
照明部ハイエースとなることもある。
録車は録音機材車で美トラが美術部用のトラック。
美術部は撮影内容によって規模が大きく変わることも多く、
美トラ、美ハイ、ゲッテイ(字忘れた)など
いくつも車両を使い分ける。
ただし、演出部用の車両は無い。
基本的に便乗するか
マイクロバスでの移動がほとんど。
制作車や劇用車、
プロデューサー車などに乗ることもある。

また、個人車両は○○車と名前と車を
くっつけて表現される。

さしずめ僕なら 長谷車である。
ちなみに、僕は車を持ってない。

[し]
◆シナリオ・台本(しなりお・だいほん)
映画やドラマなど映像作品の設計図。
これが全く存在しない場合も多いが、
そういった場合は
”監督の頭の中に台本がある”と言われる。
TVと映画とで台本・シナリオと言い方は違うが
ほとんど同じ意味で使用されている。

シナリオには基本的にセリフとト書きがあり
役者はそれに沿ってセリフを読み
ト書きの内容によって芝居と作っていく。
脚本家によってはト書きが沢山書かれていたり
ほとんど書かれていなかったりする。
役者やスタッフたちは、
監督に聞きながらも、
その行と行との間、行間にある
映像を模索しながら制作にあたる。

◆主観・見た目 (しゅかん・みため)
対象が劇中、見ていると思われる視界。
⇔客観

◆CD シーディー
クリエイティブディレクターのこと。
広告代理店の社員である場合が多い。
CMの企画の責任者。

CDによりCMの良し悪しは
大きく左右する。

◆助監 (じょかん)
助監督のこと。
現場で助監と言うと
ほぼ全ての助監督から嫌われます
また、過去にADさんと言った方もいましたが、
その時は助監督から無視されてました。

「ADさーん!」
と、助監督を探し回る女性。(おばさん)

「俺たちはADじゃねぇ。返事するなよ!」
と、すごい怖い目で言われたことがあります。
おばさんじゃなきゃ、
親切に助監督と呼んでくださいね。と
言ったのかもしれないが。

ちなみに、僕も助監と言われたら
内心、もの凄くムッとします。
感化されてしまったようです。

<演出部 えんしゅつぶ>も参照。

◆ジブ(じぶ)
<ミニジブ みにじぶ>参照。

[す]
スクリプター
<記録 きろく>を参照。

◆ストレッチ(すとれっち)
映像をスローにしたり
ハイスピードにしたりすること。
通常の24コマや30コマ撮影をしていても
デジタル編集機を使用すれば可能な方法だが、
画像が荒れる場合がある。

荒らさないためには
初めからHSで撮影するのが望ましい。

<HS>も参照。

◆スタイリスト(すたいりすと)

出演者の衣装周りを担当する。
映画では衣装部があるが
出演者の意向により
個別にスタイリストを付けたりもする。

また、スタイリストは小物を含めた全体を
スタイリングするので
役者の身に着ける時計やアクセサリー
バックなどに到る部分まで
担当するのがほとんどである。

映画の現場では、
しばしば衣装部と対立することもあるが
それをまとめるのも
担当の助監督(セカンド)の役目である。

◆ズームIN ズームOUT
ズームレンズで被写体に近づくこと(ズームIN)
また、その逆でズームレンズで被写体から遠ざかること(ズームOUT)

民生カメラなどに慣れてしまうと
高性能レンズでもあるので、
ついつい自分から動かずにレンズでヨリヒキを
コントロールしてしまいがちだが、
本来、ズームレンズでのヨリヒキと
カメラ自体を近づけたり遠ざけたりでは
全くその印象・与えるイメージが違う。

例えば、ズームでヨルと
被写体の人物は大きくなるが、
その背景まで一緒に大きくなる。
つまり、部分を切り取られたような拡大をする。

しかし、ドリーINだと、
被写体の人物は大きくなるが
背景はそれほど大きくはならない。
つまり、人間の目の移動に近い動き。

見比べてみれば一目瞭然で
このズームとドリーの作用をうまく利用すると
人物の大きさはそのままで、
背景だけが大きく迫ってくるような映像も作られる。

ドリーOUTしながらズームINする。

当然、その逆もある。
ヒッチコックの『めまい』が有名です。

 

[せ]
◆セッシュウ・セッシュ
人や物などを底上げすること。
過去にハリウッドにいた
日本人俳優早川雪舟(はやかわせっしゅう)という方を
背の高いアメリカ人俳優と同じフレームに入れるため
背の高さを底上げしたことから生まれた言葉らしい。

「その机を箱イチ、セッシュウして!」

と言われたら
机を箱馬を一つ分の高さ上げてという意味になる。

◆制作部(せいさくぶ)
演出部・美術部とともに
準備パートと呼ばれる部署。
映画撮影の始まる前から準備に入る。

仕事の幅は多岐に渡り
その忙しさも尋常ではない。
基本的には
撮影を成立させるための
事柄全般が仕事である。

しばしば、”愛が無いとできない”と
言われるほど肝要な心が必要な部署でもある。

[そ]

[た]
◆タイヤ移動(たいやいどう)
移動車の台車にゴム製のタイヤをつけ
カメラを載せて撮影する方法。
路面が平らでないと、地面のゆがみが
モロにカメラに伝わってしまう。
この場合、カメラは手持ちだったりして
カメラマンが身体でゆがみから来る揺れを
吸収することで撮影される。
⇔レール移動

◆大根役者 (だいこんやくしゃ)
演技・芝居の上手でない役者のこと。
そもそも、大根が煮ても焼いても大根で
料理によって大きく変化しないとされた食材から
何をやっても変わらないという意味で
言われるようになったそうです。

聞いた話しですが、
セリフを全く覚えてこなかった役者に対し
ある照明技師さんは、相当怒って、
ライトの足の部分に大根を吊り下げたといいます。
もちろんそのライトはカメラのすぐ横にあり
カメラの前に立てば一目瞭然。
怖い話しです。

◆叩く・たたき(たたく・たたき)
上からのアングル。
アオリの逆。

[ち]
◆血のり (ちのり)
血が出るシーンなどで使う
偽物の血。

使用する場所で担当部署が変わる。
俳優部に使用する場合はメイク部。
その他で使用する場合は美術部。
互いの部署で相談して一括する場合もある。

美術部なんかは
こだわりの血のりがあったりもして
フィルムで撮影した時に
より本物っぽく見せるための
配合なんかを研究している方もいる。

[つ]
◆つなぎ
軽食のこと。撮影により昼食や夕食が
規定の時間(飯の項参照)よりも
遅くなってしまった場合などに
きちんと昼食(または夕食)を食べるまでの
”つなぎ”として食べる食事のこと。
作業をしながら食べられることが
求められるためおにぎりやパンの場合が多い。

場合によっては
”つなぎ”だけで終わりなんて
現場もあるにはある。

◆つなぎ つながり
編集のこと。
または、前後のカットとの誤差。
例えば、前のカットでカバンを
持った手が左手だとする。
次にすぐ繋がる予定のカットを撮影する際、
右手にカバンを持っていたりすると
カバンが瞬間移動したように見える。
これを”つながり間違い”と言って
こうならないように
スクリプター(記録)さんが
チェックしている。
また、助監督のサードも
このチェックの役割を担うため
今ではデジカメなどで記録したりするが、
元々は台本の空いたページなどに
絵を描いたりして覚えた。

[て]
◆テレコ
位置や物を入れ替えること。
「右と左の花をテレコにして!」と
言われたら左右の花を入れ替えることになる。
また、互い違い、交互にという意味でも使用される。
語源は、元々、テープレコーダーのことを
テレコと言っていたが、
そのテープが巻き取られて
逆の位置に移動することから
このような意味になったという説が有力。

◆手持ち・ハンディー(てもち、はんでぃー)
手持ち撮影のこと。
カメラを手で持って撮影する方法。
カメラマンの息遣いが画面に現れたり
よんごとなき事態を想像させたり、
人物の不安感などを表現する方法。

35ミリフィルムカメラ
作りが大きく、
手持ち撮影する際、
カメラマンをかなり消耗させる。

◆D Dir ディー
ディレクターのこと
英語表記の”director”のDから。
または監督。(監督を参照)

[と]
◆ドリーイン、ドリーバック
移動車で対象に向かって前進することを
ドリーイン。
反対に遠ざかることを
ドリーバック。

トラックイン、トラックバックとも言う。

◆どんでん・どんでん返し(どんでんがえし)
今まで映っていなかった場所に
カメラが向くこと。
単純に今までの逆方向を撮影すること。

イマジナリーラインの向こう側に
カメラを持っていくこと。
もしくは、その位置に入ること。

基本的にカメラが反対方向を
向くことはよくあることだが
見える範囲もライティングの範囲も
当たり前だが、全く逆になるため
準備やりなおしになる場合が多い。
慣れた役者さんたちは
どんでんに入りますと聞けば
準備時間の待ちが出るなと察してくれる。

イマジナリーライン>も参照のこと。

[な]
◆長玉(ながだま)
望遠レンズのこと。
現場ではおよそ焦点距離
100ミリ以上のレンズ。
また、逆に短いレンズのことはワイドと言い
”たんだま”と言うと”短玉”でななく
”単玉”のことで、ズームレンズでは無いことである。

レンズのミリ数と画角の関係を覚えることで
現場での動きが飛躍的に変わる。

◆なり・なりで行く
(なりでいく)
そのままの状態。
何もしないで放っておくこと。

現場で例えば、エキストラがたくさんいて
いちいち細かい指示を出せなかったりする場合
簡単な指示だけだして、

「後は ”なり” でいいだろ」

と使います。

[に]
◆人形 (にんぎょう)
そのままの意味もあるが
セットの壁などを固定するための
三角状の組まれた木枠のことも人形と言う。

[ぬ]
◆塗り (ぬり)

スタジオなどは、通常、なんの仕事も入っていなければ空である。
その空の状態の時、スタジオの壁は、真っ白になっていて、
その真っ白を撮影時に使いたい時、事前に「塗り」を入れて
真っ白にしておくこと。
白ホリ(白ホリゾントの略)、とも言う。

[ね]

[の]

[は]
◆バミる・バミリ・マーク
立ち位置やスタート地点が
分かるようにマークをすること。
または、そのマークそのもの。
カメラのアングルによっては、
的確にマークの位置に俳優や物が来ないと
画面が成立しない場合がある。
そのために正確な位置が
俳優部にわかるようにマークをする。
マーク自体がアングルに入る場合には
マークが出来ないので
それなりのアイデアが必要である。

◆パン・ティルト
カメラの動き方のひとつ。
対象を追いかけたり、
雄大な景色を全部見せたりする場合
カメラを左右に振るが
これを パン と言う。
右へ振る場合、右パン
左へ振る場合、左パン (ヒダパンとも)
本来、カメラを上下に(首を)振る場合は
ティルトと言うのだが、
(ティルトアップ ティルトダウン)
現場では上パン、下パンなどと
言われる場合も多い。

◆パッキン・パツキン
移動車のレールの
ゆがみ・たわみを調整する際に使用する板。
板の厚みにより、赤、青、黒と三種類ある。
ちなみに、赤、青、黒の順で薄くなっている。
移動車の付属品として付いてくる。

◆ハチキュウサン・893(はちきゅうさん)
極道さん。ヤクザ。すじもの。
最近使われない用語。

◆箱馬(はこうま)

木製箱型の台。
でもあり、椅子にもなり…
平台の台座にもなり…
とても便利な箱。

<アップル>の項を参照。

[ひ]
◆ひっぱり
対象の前方から撮影する方法。
カメラは後方を向いており、
走る人物の正面の顔を狙う場合など。
⇔おっかけ

◆P Pro ピー
プロデューサーのこと。
英語表記の”producer”のPから。
作品をプロデュースする立場。
基本的にスタッフィングやキャスティングなど
作品を売れる商品とするために
奔走する人。
製作資金を集める人。

海外のプロデューサーなどは
監督よりも立場が強い場合が多く、
最終的な編集権を持っている。
日本の場合、総じてそんなことはなく、
映画は監督の物というスタンスが強くなっている。
が、作品賞というのは
プロデューサーに贈られることからも
映画完成後の所有となると
監督と半々なのかもしれないですね。

◆ビジコン(びじこん)
カメラのファインダーから見た映像と
同じ映像を映し出す撮影機材。
これにより、スタッフは
ファインダーを覗きに行くことなく
撮影される映像を見ることができる。

撮影においては、
オプション的な機材でもあるため
予算の無い現場ではお目にかかれない。
また、これはフィルム撮影での場合であり、
ビデオの場合には関係が無い。

ちなみに、ビジコンは
ビジュアルコンバーターでも
ビジターコンピューターでも無い。
そもそも、この機材を開発した
会社の名前がビジコンだったそうで、
現在は他社も開発して出回っているが
その名前だけが残っているそうです。

◆ひき
フルショット。
人物や対象物全体が入るようなアングル。
Full FULLとコンテ上書かれる場合が多い。

◆美術部(びじゅつぶ)
もっとも巨大な部署だと思われる。
また、撮影現場の裏で活躍する部署。

美術と言ってもその幅を広いので
美術部内でも細かなパートに分かれている。
デザイナー
大道具、小道具、装飾、持道具、造形、

などである。
発砲弾着ができる美術部もいる。
(発砲弾着は専門の方々がいる)

最近ではPC担当がいる場合もある。

そんな大所帯をまとめなければならないのが
助監督のサードである。

◆美術打ち合わせ 美打ち(びじゅつうちあわせ・びうち)
劇中に必要な道具やセット、作りものなど
全てについて打ち合わせをする。
特に種類がある道具などは
写真やそのものを持ち寄って
どれにしますか?と監督に詰め寄っていく。
ここでの決定で美術部は怒涛のように動いていく。
だから、とっても重要な打ち合わせ。

この打ち合わせの仕切りは
サード助監督が受け持つが
サード助監督が不安定な場合は
チーフ助監督が変わりに仕切ることがある。

[ふ]
◆フレームイン・フレームアウト
カメラの画面に人物や物が入ることを
フレームイン。
反対に出ることを
フレームアウト。

現場では、イン アウト と略されて
使用される場合が多い。

◆フカン (ふかん)
上から見下げるような角度で撮影すること。
人物をこのアングルで撮影すると
萎縮したような感じを与える。
いくら、大声を出して怒っていても
フカンで撮影すると井の中の蛙的な意味を出せる。

⇔アオリ

[へ]
◆並走(へいそう)
対象に横並びになって撮影する方法。
真横から走る足元だったり
走る車の横っ面であったりする。

◆ヘアメイク(へあめいく)
俳優部の髪の毛やメイクを担当する部署。
メイク先発といって、
撮影本隊より先に行き準備・仕度することも多い。
助監督のセカンドが担当する。

[ほ]

[ま]
◆巻き・マキ(まき)
急ぐこと。

⇔伸ばし

[み]
◆ミニジブ<みにじぶ>
身の丈ほどの小さなクレーン機材。
移動車の台車や地面に設置して使用する。
狭い屋内などで効果を発揮する。

予算の都合で特機部がいない場合でも
ミニジブなら撮影部と制作部だけで
管理しなければならないこともある。

[む]

[め]
◆飯(めし) 早飯・遅飯・飯押し・巻き飯・短縮飯
(はやめし、おそめし、まきめし、、めしおし、たんしゅくめし)
食事。朝食、昼食、夕食、つなぎ、深夜食など。
映画やドラマの現場では
お約束として規定(目安?)の時間がある。
朝、集合時間が7時より前の場合には
スタッフに対して朝食を出さなければならないし
12時にはもちろん昼食を出す。
また、18時か19時は夕食。
23時以降になれば深夜食を出さなければならない。

特に映画の現場では顕著である。
CMの現場では、
このルールは存在しないのか
朝9時であっても朝食が出たりする。

早飯
規定の時間よりも、早い時間で飯を入れること。

遅飯・飯押し
規定の時間よりも、遅い時間で飯を入れること。
この場合、飯に入る前に演出部と制作部は
決まって、「飯押しすいませんでしたー!」と
一言スタッフに詫びを入れるのが通例。

巻き飯・短縮飯
通常、飯時間は1時間が目安であるが、
それよりも短い時間で食事を取ること。
この場合、飯に入る前に演出部と制作部は
決まって、「申し訳ありませんが、
短縮飯で御願いします!」とか
「巻き飯、45分で御願いします!」と
侘びるのが通例。

◆目線・目線を作る(めせん・めせんをつくる)
人物の見る方向、見る先。
カットバックなどを撮影する際に
アングル上、実際の物・者を見たのでは
都合が悪い場合に役者の見る目標を作ること。

パーマセルでバッテンを作ったり
カメラ脇に助監督がグーを作り
そこを見てもらう。
この助監督のグーだがイマジナリーライン
理解していないと逆方向に出してしまうので注意が必要。
イマジナリーライン>を参照のこと。

また、このグーは手の甲の側を
役者に向けるのがマナー。
その理由はわからない。

[も]

[や]
◆八百屋(ヤオヤ)・魚屋(サカナヤ)

カメラ方向に傾けることを八百屋と言い、
逆向きに傾けることを魚屋と言う。
魚屋は人により違う表現である場合がある。
八百屋逆とか金物屋とかである。
○○屋で”屋”がつけば
八百屋の逆である可能性が高い。

語源は八百屋の店先の商品は
お客に見えるように
若干傾いていることかららしい。

[ゆ]

[よ]
◆ヨリ
アップカットのこと。
UP、upとコンテ上書かれる場合が多い。

[ら]

[り]

[る]

[れ]
◆レール
鉄・アルミ製のレール。
主に移動車を載せる。
ある程度の路面のゆがみやたわみは
レールの下のパッキンやくさびを入れることで
平らにすることができる。

特機部がいない場合は
撮影部が主体となってレールを引く。
演出部、制作部が撮影部の指示で
パッキンを入れたりして調整する。

⇔タイヤ移動

[ろ]

[わ]
◆わらう・わらって
フレームから外すことの意。
撮影上、邪魔な物やアングル的に
必要の無いものを
画面の中から外す際に使う。
語源は、美術部が
時間をかけて作ったセットに対して
カメラアングル的に
外さざるを得ない物品をどかす際、
カメラマンが
”これ、外しちゃうけども
 美術部さん笑って許してね”
と言ったことからが有力である。
また、”おおわらい”と言うと
ある物全部どかす意味になることもある。

追加して欲しい単語や
調べて欲しい単語。
また、自分で考えた用語例など
気になった点があれば
遠慮なくメールなりコメントなりください。
よろしく御願いします。