新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

敗北は二度目まで。

9月27日
今回の出演者の方が
ちょうど、こちらのご出身で、
なんとなく話しの流れが、
”甘いもの”になり…

その方が、わざわざ、
ホテル周辺地図にある

”おはぎ”の名店を紹介してくれた。

で、帰京する今日
せっかく紹介していただいたので
出発時間前にと、
テクテクと地図にある店に向かった。

西の大都市であるここには
過去に何度か仕事では来ているが、
そのいずれも、
ペーペー過ぎて暇が無かったか、
あまりの忙しさで、
外を出歩く時間が無かったか、
その気力さえ奪う仕事だったかであり
昼間にふらりと歩くなんて
初めてであった。

喧騒の街

日本でありながら
海外を思わせる壮絶な街。

遠回りして行こうかとも思ったが、
もし、万が一迷ってしまったら
東京に帰れないので
分かりやすい道順で行く。


10分ほど歩くと
目指す店の看板が見えてきた。
ここは、どんなお店も
看板が大きくてありがたい。
小さな店だと聞いていたので
見逃す可能性を心配したが
あの看板があれば安心だ。

で、その看板目指して歩いていくと
少し、胸騒ぎというか

背中に悪寒が走ったというか

どうみても、これは…
と思ったというか

案の定、店には冷たい色をした
シャッターが下りていた。

誰もこれより入ることを許さじという
完璧な拒絶、敗北、唐変木

”第二、第四、木曜日はお休みです”

そんな呪文がシャッターに貼られていた。
多分、唱えると開くのだろうが、
なぜだか、悲しい気分になりそうなので
そのまま踵を返すことにした。


時計を見ると出発まで45分ほどあった。
一度、ホテルの前まで戻り、
道順を頭に入れてから、少し散歩した。

ある有名なカレー屋さんを発見した。
確か、西が発祥で
東京で食べたことがある。
また、これも遠くからも
すぐに分かるほどの
大きな看板が掲げてあり

あ!と思い、少し足早に歩いた。

少しづつ近づくにつれ
店の前に立つ、
小さな看板が見えてもきた。

”準 備 中”

何故だか汗だくなのに
寒かったよ…

後、暫くすれば開店するのだろうが
それを待ってからでは、
多分、計算が合わないだろうとは
すぐに判断できた。

悔しいから匂いだけでもと
お店の前まで行ったが



なんの匂いもしなかった。


でも、東京より
値段が半分近く安くてびっくりした。
雰囲気だけでなく
金額などでも海外気分を
味あわせてくれる街である、ここは。



で、傷心で、ハートブレイクな僕は
そのままホテルへ戻り
スタッフの集合を待った。


次はいつかは
わからないけども

今日、拝むことができなかった
”おはぎ”だけは

きっと、必ず、絶対に、確実に、
迷うことなく、一心不乱に、一目散に
壮絶に、悶絶に、強烈に
目指すことだけは
確かな気持ちである。


じゃ!