新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

そして、ゾウさんは旅立つ

8月3日

先月の29日に吊り上げた金魚

名前を『ゾウさん』という。

雄なのか雌なのかはわからない。

ゾウさんは名前に反比例した

小柄な金魚である。

水しか入って無いケースに

同じく金魚すくいで吊り上げられた

『トーマス』と二人暮らしをしていた。

それが昨日、砂利とエアーポンプ、少し大きめの水槽、

金魚専用エサとカルキ抜きの液体を

奥さんが買ってきた。

二人は新鮮なエアーと専用エサに満足したかのように

水槽を泳ぎ回った。

エサには金魚が元気になると書いてある。

なるほど、米粒を与えていた時よりは元気である。

これでカブトムシ君の二の舞は

避けられるかなと思った矢先の昨晩。

「『ゾウさん』の動きが遅い」

と奥さんが言ってきた。

が、これ以上、何かをしてやることは出来ない。

『ゾウさんとトーマス』の待遇は改善されたのだ。

頑張っていただく他にない…

今朝方、一抹の不安があり

水槽を確認した。

見ると1匹しか泳いでいない。

泳いでいたのは『トーマス』。

『ゾウさん』は浮いていた。

何が原因かはわからない。

結果がある以上は

原因も要因もあるはずだが

予想予測憶測に過ぎない。

そもそも、金魚に名前を付けさせたのには理由がある。

名前を付けることで

生物に愛着を持って欲しい

そして、生物は必ず死ぬと理解して欲しい。

早過ぎたカブトムシの死は

玩具が壊れた程度のショックしか与えてないように思う。

そして、早過ぎた『ゾウさん』の死も

あまり影響は無いように見える。

『トーマス』よ

出来るだけ長生きしておくれ

×××

仕事である。

監督が忙しく

オーディションも打ち合わせも

ままならないため

代打で重要な部分に顔をださなければならない。

モノが映画ならば

自分が出した結論の責任の取りようもあるが

CMでは、そうはいかない。

あくまでも決定は監督に出して貰わざるを得ない。

面倒だが、何か問題があってからでは困る

困るのは俺ではない。

監督やプロダクション、

そして、代理店とクライアントなのだ。

そんな中で何を助監督できようか?

いや、すでに10年近くやっている。

いまだわからない。

いまだ見えない。

結論は薮の中。

じゃ!