新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

ポジオール

映画「Watch with Me ~卒業写真~」
2月7日分撮影日記UPしました。

3月9日
本編ポジオールの日。
ポジというのは
言わずと知れたポジフィルムのことで
オールというのはオールラッシュのことである。
つまり、ポジフィルムでのオールラッシュ。

今まで、アビットという
PCの編集ソフト上での圧縮された映像だったが
その編集データを元にポジフィルム編集し
それを上映するということである。
どうして、アビットだけの編集情報だけでなく
フィルムをも編集して試写をするのか?
それは、アビットでの編集は
厳密な編集には違いないのだが
フィルムとデータとでは
明らかにその表現力が違う。
確かに、つなぎとしてはアビットでも
全く問題無いのだが
いざ、フィルムで上映してみると
新たな発見や、ミスなども
見つかってくるのである。

つまり、アビットだけでは見落としていた情報が
フィルムには焼き付けられていて・・・
例えば、アビットでは真っ黒であった場所に
フィルムでは何かが映っていたり
役者さんのアップのカットの時
よく見るとその瞳の中に
スタッフが映っていたりするのだ。


そう、最近では
誰でも編集できる状態であるが
それはTV画面を基本とした編集であり
最終形態である。
しかし、フィルムで上映が最終形態だとすると
その映像は大きい劇場を想定すると
小さな顔が畳にして何十畳も
大きく引き伸ばされることになるのだ。
見えなかった粗が見えてきても不思議はない。


な、もので、かなり真剣に
見なければならない。




さて、映画本編の方も着実に完成に近づいている。
今日のポジオール後に再編集作業があり
その後、俳優部を再び呼んで
アフレコやナレーションを録音し
プリミックスと言ってダビング前に
簡単なミックス作業をし
最終ミックス(ダビング)を施す。

で、ご存知かもしれないが
この段階で映像と音声は完成しているのだが
その二つがくっつかないと
話しにならない。
ビデオのように初めから一緒ではない。

で、で、この後、
フィルムに音声を焼き付ける作業があり

やっと、ここで初号試写となる。

ここから、再び焼いての0号試写で
映画の完成と相成るわけである。
(もしかして流れが多少違うかも・・・)



が、ここまでの流れで僕が
タッチする部分はほとんどない。
多少、監督に進言したりはするが
基本的に傍観者である。
とはいえ、僕には予告編の役目があり
すでに編集もダビングも終わり
焼きを待つだけなんだが・・・

いや、予告編でも多少問題が
発生していたのだ昨日。



アビット上で見ていた映像と
フィルムで試写した際の映像のトーンが
まるで違う状態であったことが判明した。
ダビングの最中に!
このままでも確かに、
予告編としては成立するし上映もできる。

でも、でも、どうしても許せない。
二つのカットでそれは起きたのだが
そのうち一つだけは、
どーしても許せない。
あのトーンでなければならないカットなんだ。
あのトーンでなければ編集に入れてないんだ。
だから、今のトーンしか選択できないのなら
そのカットなんていらない。
今すぐ、編集をしなおす!

と、ここまではいきまいてないが
かなり強固にトーンの話しをPにする。

すると、次回のタイミング作業で
何とかできるらしいことが判明。
まだ、間に合う。


ほっとする。


お金も無駄にかからないらしい。
良かった。



ギャラは絶対的に必要なものだが
ここまで力を入れていると
つい、弾みでギャラなんかいらないから
直させてくれ!と言いそうになる。
言ってないけど。



その思いを反映した予告編になっている。(はず)






さ、ポジオールが始まる。






映画「Watch with Me ~卒業写真~」
九州先行上映は4月21日より
全国公開は6月初旬予定!

ちなみに、4月21日は
僕の誕生日の翌日です。
関係ないけどね、全くもって。



じゃ!