新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

結末はやんわりと

2月18日

■この日記は撮影終了後に
 香盤表を見ながら
 数ある出来事を
 思い出しながら書いたものです。
 若干の思い違いや誇張
 脚色が含まれています。

 ご了承ください。

映画「Watch with Me ~卒業写真~」撮影日記
『結末はやんわりと』

2月18日
どんな撮影でも終わりが来る。
長く苦しい撮影でもいつかは終わる。
それが、途中であっても…

幾多の困難を乗り越えて
撮影はいよいよ最終局面に。
あの日、あの時は、
もう、終わったと思った。

それでも、不屈の闘志を燃やす
主人公のように
映画は復活し、撮影は続けられた。
誰がどーだとか、あいつがどーだとか、
そんな話しは、もう、よかね。

昼食後準備開始。
今日の朝一番の便で
福岡入りする俳優部。
必然、午後からの香盤を組む。
最終局面。

長いシーンは無く
短いシーンが6つほどあるだけ。
これだけなら、
こないだ撮っておけば…
と、つい思ってしまう分量だが
それは僕だけが知っている魔の分量。
進めば、地獄が待っている
だけだったはず。

常に、クランクアップは
実景とか物撮りとかでシレーっと
終わることが多いので
芝居のカットで終わるように監督と相談。

津田さん一人のシーンを
ラストに持っていく。

「只今のカットで上野和馬役!

 津田寛治さん、全シーン、全カット、

 撮影終了です!おつかっしたー!」

わーっと花束贈呈があり
バタバタと撤収作業をしていると。

「わー!ごめん!
 後ワンカット撮影させて!」

と監督が現場に走ってきた。

「今、I嵐が良いこと言った!」

「なにー!」

いや、いや、演出部として
必要なカットを監督に進言するのは
素晴らしいことではあるが
今の今に、ここでそんな事を言うか?
このタイミングでか?

さすが、タイミングをはずすことには
右に出るものはいないと詠われたI嵐。
最後の最後も、素晴らしいタイミングだ。

と、結局、物撮りでクランクアップ。

しれーっとしたが、致し方ない。
I嵐、最後まで良くやった。
ありがとう。

映画
「Watch with Me ~卒業写真~」
クランクアップ。

今日撮影したシーン
S#R111 104 107 121 64 77

今回は、M木、I嵐、T田、K林と
夏冬で4人の助監督たちに助けられ
素晴らしいチームを組めたと思う。

M木
セカンドから制作主任へのコンバート。
世紀のミスジャッジかと思われたが
結果、M木がいなければ成立しない映画となった。

I嵐
サードからセカンドへ昇格。
経験の浅さを持ち前の根性と
しつこい質問攻めで
見過ごしてしまいがちな点を
くまなくフォローしてくれた。

T田
見習いからサードへ昇格
まだ2本目だというのに
重い責任を背負わされながらも
寡黙にしがみ付いた。
良い勉強になったと思う。
忍耐を覚えたな。

K林
見習い
夏の撮影だけであったが
いてくれたおかげで
調べ物を幅広く行うことができた。
現場経験はまだまだだが
これから経験を沢山積んでくれ。

映画「Watch with Me ~卒業写真~」
撮影日記 冬篇
終わり。