新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

風流

7月22日
今回、夏と秋という季節を越えた撮影で
そのどちらにも象徴的なハイライトシーンがある。

福岡県久留米市草野町
映画のメイン舞台となるこの町で今日
草野風流”くさのふりゅう”という祭がある。
およそ800年の歴史があるこの祭は
年々参加者が減っているそうで…

カンの良い方ならおわかりかもしれないが
この祭を今回映画で取り上げるのだ。
エキストラも1000人ほど集める予定である。

で、僕は今、草野町にいて
草野風流を見学に来ている。
監督は何度か見ているのであるが
この祭を別日別場所別行程で再現するには
演出部としては責務であり
また、草野風流保存会の方々との
信頼関係作りも急務である。

祭は大きくは二つの行程に別れている。

行きと帰り。

基本的に神様を運ぶ行事であり
神社から社に神様を運び
社から神様を神社に運ぶ行程なのだ。
これを二日に分けて行う。

さて、今日はつまり『行き』の行程。
見学としては行きと帰りが雰囲気として同じならば
行きだけの見学でと考えていたのだが
どうも監督いわく違うらしい。

結果、見学は明日も行うことになっている。

で、こんな書き方をすると
なんだハセはあまり楽しくないのか?と思われそうだが
それは全く違う。

草野風流は見ていて非常に楽しい祭である。
まず、獅子がすごい。
獅子の動きが凄まじい。
正月に見る獅子舞とは大違いなのだ。
つまるところ獅子は
神様を誘導する役目だと思うのだが
単に前を行くだけでなく
強引に引っ張って行くという印象だ。
更に面白いのは
鬼の面を被った○〇(名前ど忘れ!)の存在。
役目としては祭の行列を
滞りなくするものだと考えられるが
その鬼の髪の毛を抜き去ると
健康になるとか願いが叶うとかの
良いことがあるらしくて
沿道の子供たちが群がるのだ。
でも、鬼も鬼で黙って髪の毛を触らせない。
竹で出来た多少柔らかくした棒を
ブンブン振り回すのだ。

つまり、髪の毛を取るには勇気がいるってこと。

これが見ていて実に面白い。
特に隙を狙う子供たちの表情が。

都合、見学記録用のカメラは
子供たちに向けられて…

あれ?
俺、ドキュメンタリーを作ってやしないか?

これも職業病かもしれない……

明日も楽しみである。

じゃ!