新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

時間を作る(書き直し版)

2月24日
時間に追われ、
    追われた時間にも
       更に追われていた。


いや、正確には自分で自分の時間を押し上げ
少しでも早く、考えられるだけの先手を打って、

予定よりも早い日程で動いた。

それは、とにかく25日・26日の土日に
少しでも時間を作ろうと動いたためでもある。


はっきりいって、
たかだか3本か4本抱えたくらいで
ヒィヒィ言っていたのでは
この先の演出人生は送れない。
強気の発言するが、ヒィヒィ言ったのは
明日明後日の時間を作るため
だと言っても過言ではないのだ。

では、どうして…
この土日に身体を空けたかったのか?
今、今日の段階で、この日記には書かけない
僕個人のプライベートな理由である。
いつしか、わかる時も来るだろう。

だいたい、土日っていうのは
普通一般の企業はお休みであり
こちらとしても手の打ちようが無いことも多い。
今回はCMとVPであるため
そのどちらも一般の企業がクライアントであるため
この土日にできることは限られている。
ずるずると土日を使うこともできたのだが
金曜日(今日)までに全てにケリをつけると
勝手に考えていたのでバリバリに働いた。

昨日のうちに台本直しを仕上げ
関係各所にメールを出すが
朝起きてみると、
更なる訂正のメールが来ている・・・
昨日は就寝が結局は朝の4時であったので
かなり朦朧としていたが、
今日中に、それも午前中にやる!
と決めたので
急いでシャワーを浴びパソコンに向かう。
さあ!と腕まくりしていると
親分から電話が来た。

『いつまでに訂正稿できる?』
という電話だとばかり思った。
今日中にあるところに
提出しなければならないので
猛烈に急いでいるのだ。

が、違った…

「些細な訂正だったので、
      僕の方で直しておきました!」

「え?まじっすか?親分が?」

「はい。訂正稿をそちらに
          
メールするんで確認を」

「はい!ありがとうございます!」

さすがだぜ、親分。
僕が昨日何時まで仕事をしていたか…
驚愕に値する対応だぜ!親分!
で、訂正稿を確認する。


「うっ! こ、これは…」


言葉には
『耳で聞く言葉』『目で見る言葉』
とがある。

VPというのは、何かしらの説明をしたりする
ために作られることが多い映像なのだが
つまりは、
この『耳で聞く言葉』と『目で見る言葉』
両方を駆使することになる。
特に同音語を使用する場合には
気をつけなければならない。
前後の脈絡で『わかるだろう』では
いささか危険である。
映像は作ってしまったら
視聴のスタイルを選べないのだ。
(決まっている場合もあるが)
それはつまり、
いきなりこの部分から見るという方もいる訳だ。
必要なパートの映像しか見ないというような。
だからこそ、同音語には気を使う。

また、目で見る言葉も大切だ。
漢字はそれだけで一つの意味を持っているので
例え読めない熟語であっても
その意味を理解することが
できる場合があるのだが
耳で聞くと全く理解できない言葉もある。
もちろんその逆もだ。

得てしてマニュアル映像を作成する場合は
文字が先行してしまい
耳で聞くとちんぷんかんぷんってことがある。
テロップやスーパーの表示は漢字にして
それに被るナレーションは
もっと開いた言葉にすることも多い。
そうすることで、
よりテロップを理解させることができる。


つまり、そんな訂正に『うっ!』ときたのだ。


すぐに親分に電話する。


「○○って言葉なんですが…」

「ん?」

「耳で聞いてすぐに理解できる言葉ですか?」

「ああ、それは、そうだねぇ」

「クライアントがどうしても
  使用したい文言であるならば仕方ないですが
  僕は危険な言葉だと思います」

「わかった、確認しておく」

「お願いします!」



確認を待っている間に
次の支度をしないとならない。
今日は、夕方から技術打ち合わせがあるのだ。
VP1はスタジオあり、ロケありの盛りだくさんVPなので
技術スタッフとの連携が重要になってくるのだ。
まだ、台本があがっておらず、
僕自身完璧にプランができている訳ではないが
そんなことはスタッフ的には関係ない。
どんどん質問攻めに合うのが分かっている
それに対応できないと…

『あの監督駄目だな…』

とか思われてしまうだろう。
いや、思わないかもしれないが
俺なら思う。きっと思うのだ。

どんな答えでもいいから
用意してないとならない。
『答え』ってものを。

現状の台本に目を通し
大まかなプランを考える。
細かいのは今日の段階ではいいだろう。
当日には必要だが。


すると、電話が鳴る。


「長谷くんの言う通りにします!」

「はい、そのように訂正します」



親分からであった。
僕の意見が理解され
危険な文言は消えた。

もう一度、台本に手を入れる。
これが最後になるといいが…



昨日提出したCM演出コンテの返答がきた。
僕が当初予想していたものとは
まるで違う企画に決定したために
要求されることにも変更が出たのだ。
スタッフィングもやり直しだ。
その電話が来た。

「どうしますか?」

「俺が発注すると
      どうなるかわからんぞ(金額が)」

「…わかりました。
       こちらで探してもいいですか?」

「ああ、よろしく頼むよ」

「はい」

何度も言うようだが
全ては予算の上で仕事は成り立っている。
誰もボランティアで仕事はしないのだ。

それが大人だ。(多分な)

そんなこんなで、もう家を出ないとならない時間だ。
まだ、朝飯はおろか昼飯も食っていないのに
14時を回っている。
そう思うと途端に腹が減ってくる。

駅で立ち食いそばでも食うか…

技術打ち合わせから
そのままロケハンに以降し
更に細かい打ち合わせができた。
これでかなりの部分を
安心して撮影することができるだろう。
後はゴリライモがなんとかしてくれるさ。

自宅に帰る途中…


「演出コンテを少し変更したいのですが…」

「なにー!なにを?どこを?どうして?」

「いや、かくかくしかじかで…」

「よーし、わかった。直していいよ」

「了解です!」

制作の眼鏡○本君は
企画に関しての才能が抜群だ。(と言っておく)
だから、こういった作業に関しては
かなりの部分を任せても安心できる。
確認はするけども。
現場では阿保なことをやらかすが
準備段階での手抜かりはほとんどない。

自宅に戻り
今一度メールを確認しておく。
もう、直しはないよね?と。

無い。メールは来ていない。

少し安心した。
これで土日は身体を空けることができる!



休み?いやいや、そうじゃないんだ。


また、今度詳しくね。

じゃ!

PS:ひっそりとタイトルを公開しました。
『子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち』撮影日記
DVDは2月25日発売ですので皆さん買ってください。
僕には1円も入りませんが。
せっかく作ったのですから、みんな見て欲しいです。

で、編集中から知っていたのですが
このDVDにはメイキング映像も特典でついているのですが
僕や、ひし(丸い卵も切よで四角の筆者)が
ばっちりというか…恥ずかしいくらい出ています。
購入した方はメイキングだけは見ないように。
見ても、僕に関してのコメントは一切受けません!