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新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

雪を超えて撮影せよ!

この日記は撮影時の香盤表を元に

薄れゆく記憶が消えないうちに

思い出しながら書き上げたものです。

一部、実際と違う部分や記憶違いなどが

ある場合もあります

日本の自転車泥棒 JAN」 第2部撮影日記

始めに、何故、第2部か?

それは昨年末の異常に全国で大雪が降ったあの時期

この映画の第1部撮影は始まっていたからである。

しかし、僕はその大雪の第1部に参加していないため

あえて区別するために今回の撮影を第2部とした。

1月21日(土)7:00 ホテルロビー

昨日のナイター撮影時から

関東地方に雪の予報が告げられていた。

朝起きたら一面の銀世界だろうと・・・

モーニングコールを6時にセットして

目覚めると同時にカーテンを開いた。

「し、白い・・・」

僕の目の前には宇都宮の市街が

広がっているはずなんだが

そこにあるのは一面の白。

真っ白な雪でできた屋根、屋根、屋根。

多少、雪はぱらついていたが

昨日の雪がかなりの量だったことを

冗談抜きに突きつけた。

つーか、今日は確かセンター試験

いつもセンター試験の日って雪じゃねーか?

以前、監督と冗談半分にこんな話しをした。

「雪ならいい、濡れないから払えば」

「そうっすね、雨に比べれば100万倍ましですよね」

「それに雪は奇麗だしね」

「雪なんかじゃ中止になんかしないっすよ!」

「そうだね、でも降っていいとこと

降ったら困るとこもありますからね」

「いやぁ、この作品は絶対についてますから!大丈夫っす!」

果たして、本当についているのだろうか?

俺の目の前に広がった銀世界は

作品のどんな影響を与えるのか?

香盤を見ても今日のシーンは先日撮影した

雪の無いシーンの直前にあたるシーン。

雪なんか必要無い。

すぐに監督の部屋に電話しようかと思い悩んだがやめた。

「行くしかない。行ってから判断・・・いや、撮る」

そう決めたんだ。

今回のスケジュールや予算など全ての面からして

ちょっとやそっとのことで

撮影を中止にするなんてできないのだ。

それは第1部撮影で

記録的な豪雪の中を撮影した経緯からもわかる。

ストップは絶対にありえない。

躊躇なんてするな。

そう、もう後30分寝よう。

身体を暖めてから出発だ!

宇都宮は関東でも比較的に降雪が少なかったらしく

ところによっては雪が少なく

状況的にカメラカーの出動も可能だと判断された。

横から吹く風に降り積もった雪が混じり

横っ面をなぐってくる。

カメラカーに乗り込むと更に寒い。

「み、耳が!と、取れる!」

急いで首に巻いたマフラーを顔全体に覆い

覆面のようにして出動。

他のスタッフの似たような感じでカメラカーに。

なんだか、強盗団のような感じだ。

こんなんで銀行の前なんて行ったら

確実に通報されるに違いない。

だが、しかし、撮影してみたものの

当初の予定のシーンにははまらない。

せっかく撮影したのに使わないのが確定か?

「このシーンは別のシーンに使います、

雪国での走りがちょうど足りなかったので」

ほー、災い転じて福となすですな。

しかし、当初の予定のシーンは残になるわけか・・・

し、仕方ない。

更に宇都宮市街に入り自転車の走りを撮影する。

さすがに繁華街近くということもあり

車道はもちろん歩道にも雪が無く

さらに、撮影現場周辺には全く雪が無い!

つまり、当初の予定のカットが撮影できる!

天気は若干曇りだったが

そんなことは些細なことだと思われた。

「撮影しよう!撮影!撮影!」

「カメラカースタンバイ!」

「岩崎!チャリンコ持ってこい!」

「はい!」

これだけカメラカーの撮影をやっていると

どんな場所でもカメラカーのスタンバイができるようになる。

しかも、とてつもなく早い。

常識を遥かに超えたスピード。

しかし、それでも僕が切った当初の香盤からは押しである。

どれだけひどい香盤なんだかって感じだが

押しなものは押しだ。

今日はこれから箱物撮影に入るので

なるべく早くから準備に取り掛かりたいのだ!

今日は18日と同様に

ある有名ゲストが登場するシーンがある。

宇都宮のあるバーをお借りしての室内撮影。

4日目にして始めての室内撮影だ。

何より一番嬉しいのは『暖かい』ってこと!

ジャンパーも脱いで、マフラーも取って

オーバーズボンも取って、

汗なんかかいちゃう?

いや、かいたのは冷や汗だ。

室内撮影の宿命であるが

今までオープンでほぼノーライトの撮影だったが

室内ではライティングが必要である。

また、ここは大きなスタジオでもないので

ライトの置き場やセッティングにも制限があり

また、市街地であるために回りの雑音もある。

僕の予想を遥かに上回るほど時間が削られていく・・・

一番やっかいなのは

今日中に東京に帰らなければならないこと。

それも23時までに。

何故23時か?

それは、撮影現場のルールで

撮影が終わりある一定の主要駅に

23時までに着かないと

『送り』といってタクシーで

スタッフを帰宅させなければならないのだ。

※CM系統では『送り』でなく『タク送』と言うことが多い。

つまり、この『送り』が出てしまうと

制作費に大きな打撃が出てしまうのだ。

これを冷や汗といわずになんと言う。

ジリジリと進む時計。

タラタラと流れる冷や汗。

現場を岩崎にある程度まかせ

次の日の段取りもしないとならない。

明日の撮影は山の中。

情報から現場は全くの雪模様らしい。

その場所までたどり着くことすら困難らしく・・・

GOして現場判断するか

半休にして午後開始にするか

いずれにしても、早急に判断せねばならない。

現実の情報を並べ

監督と相談したいのだが

撮影の真っ最中・・・

ただ時間が過ぎていく。

ただ、撮影は進んでいく。

夜も深くなり寒さも厳しくなっていく。

明日はどうなるのか・・・

本日撮影したシーン

86 93 94 53 3 103 76A 52 54 83 82 50 46 47 48 49 51

残シーン

85