3月3日
耳の日。
ＣＭオフライン試写日
ＤＶＤオフライン試写日
徹夜につぐ徹夜で疲労困憊だ。
なかなか慣れないディレクター業務であるが
毎日がヒリヒリしていて良い感じではある。
僕が言ったことと言うのは簡単には否定されることは無く、必ずトライされる前提である。
つまり常に判断を求められ、常にＯＫかＮＧを決めていく作業の連続でもある。
これは判断に迷いや失敗があれば、即時間や金額に反映してくると言うこと。
僕が迷えば、その全ては、その全てに影響・反映される。
演出においての全ての責任をおっている以上
妥協でもＯＫを出した責任がある。
編集中にいくら後悔しても意味は無く、
”お前が悪い”と自分に言い聞かせるしか方法はない。
現在、ＣＭやＶＰ、番組とディレクターでやっている仕事がいくつかあるが
どれひとつ疎かにできず、する訳にはいかず、
毎日、判断を下す連続である。
すでに日付は変わって4日になっての帰宅だが、
今日はＤＶＤの本編集があり、
自宅で風呂でも入ったらすぐに出ないとならない。
ＣＭのオフラインは想像以上に直しがあり
さっきまでかかってしまった。
答えなき問いに答えを出して行く作業というのは、困難を極める。
ＤＶＤではあまり直しが無かったのでサクサクと進めたい。
もう残された時間は全くない。
ＤＶＤの本編集をしたらすぐにＭＡＶをし
会社でサイエンスの素材取り込み（４時間ある！）もしないとならない。
明日も徹夜は確定しているのだ。
そして、いよいよ明後日にはＣＭの本編集。
だが、同時にサイエンスのオフラインをする。
１分１秒、歳をとる。
１分１秒、デッドエンドが近付く。
人は”好きなことを仕事にして羨ましい”とか
”好きこそものの上手なれ”と言う。
確かにそうだ、否定なんかしない。
俺は仕事が大好きだ。
だが、どうだろう…
× × × × ×
3月4日 朝
自宅で風呂に入り時計を見ると出発時間30分前だった。
まだ寝ている奥さんに軽く声をかけて行く。
息子はなんだか、いまさっき寝たらしい…
今日は朝から…昨日の夜から…大雪だ。
天気が悪いと息子の機嫌も悪いらしい。
多分、夜泣きもすごかったんだろう…
仕事とはいえ、帰れないのは申し訳ない。
さて、大雪でも地下鉄は快適に走っている。
地上では軒並み電車は遅れているらしく
さっきも遅延証明を配っていた。
あの紙切れが、なんの役に立つんだろうか？
あの紙切れで遅刻がチャラになるんだろうか？
笑って許してくれるんだろうか？
悪いけど俺が待たされている方なら
「昨日から雪だ雪だと言ってるのに、何故早く出ない？」
と言うだろう。
言い訳はするだけ時間の無駄、聞くだけ時間の無駄
ま、でも、しょうがねーやな。
なんの希望も無く
なんの未来も無い。
想像する先は常に地獄で
想像する先には絶望がある。
希望は一握りの金持ちが得て
未来は子供たちのためにしかない。
闘いは非情で余裕が無く
闘いは勝ちと負けしか無い
ギャンブルがアドレナリンなら、撮影はアドレナリンで
答えの無い答えを捜すのが編集なら
ＯＫとＮＧの間には深い河が流れる。
徹夜のテンションなら
変な文章で良いじゃない。
気にしたってしょうがない
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2005年ベルリン映画祭キンダーフィルム部門出品作品
映画「千年火」撮影日記はこちら
2005年2月12日渋谷UPLINK X
2005年2月24日ゆうばりファンタスティック映画祭オープニングナイト作品
映画「最後の晩餐」撮影日記はこちら
2004年2月28日放送/2005年2月23日DVD発売作品
TVドラマ「LOVE ASIA 花びらの舞う海へ」撮影日記はこちら
TNC掲載バージョンはリンクからいけます。
撮影における専門用語（香盤表とかエフェクトとか）の解説はここ
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