新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

旨いぜ!ベルリン!

2月14日
バレンタインデー。
街はハートマークとカップルで
大賑わいの様相を・・・していない。
どころか、朝からベルリンは大雪が降っている。
外を歩く人はいない、というか、
歩ける気温じゃありません。
それに、バレンタインデーを派手にする国って、
あんまり多くないらしいですね。
ドイツはあんまり派手じゃないみたいです。

さて、ベルリン滞在日程も残すところあと1日。
今日が最終日で、
明日は飛行機に乗って忙しい毎日に逆戻り…
名残惜しいのは言うまでもありません。

ホテルで朝食を取りながら窓の外を眺めていると

「この雪で飛行機、飛ぶかなぁ」

中学生である村田少年は2月・3月の忙しさってもがない。
したがって、こんなにのん気というか
気の抜けたというかの台詞が簡単に飛び出す。

「このくらいの雪で飛行機が飛ばなかったら、
北国にはどうやって行き来するんだ?
それに大体、飛ばなかくても、飛ばす。必ず帰る」

「え?どうやって飛ばすの?」

えーい!うるさい!
実際に飛ばすってことじゃなくて、
意気込みのことを言っているんだ!

「早く喰え」

「う~ん」

村田少年は小食だ。
ネズミの鼻糞ほどの量しか喰いやがらない
ガリガリ君
だ。アイスだ。違うけど。
俺も、瀬木さんも店の人に

”すいません、帰ってください”

言われるくらいの大食いなので
朝にメロンのかけら3キレみたいな
村田少年の食の細さにはびっくりしているのだ。

「メロンもう少し食べよ」

「メロンでもトロンでも食いなさい」

「トロンってなに?」

「知らん(いちいち突っ込むな!)」

「ちなみにトロンは映画のタイトルだ」

「え?」

「早くメロン持っておいで!」

「はーい」

俺は山盛りの皿を常に2枚常備だ。
そう、常備ってところが大切だ。
常に備えているんだ、空腹に。
いや、だって、うまいんだもんホテルの朝食。
ハムとかチーズとかパンとかさ
うまいうまい、うまいんだもんだモン!
壊れてなんかいないさ・・・

さ、今日の上映は午前中である。
10:00から旧東ベルリンの劇場だ。
案の定、雪のために迎えの車が来ない
そういうことを見越して
9:00には車を呼んでいたのだが
やっぱり、来ない。
ここから劇場までは車で約20分。
9:30までに来ればなんとか間に合う計算だ。
ま、上映前に関係者が顔を出さなくても上映は始まる訳だから
撮影に監督とチーフが遅れるのとは話しが違うってなもんだ。

9:40頃、迎えの車が到着する。

ギリだね。こりゃ。

ベルリン映画祭の公式スポンサーでもある
フォルクスワーゲンの高級車だ。
これがまた、乗り心地が最高なんだが
何がイカスってトランクの開閉がボタン一つで自動なんだよ。
これはイカスね。
ミーンって独りでに閉まるんだもん、だもん。
ミーンって。

9:55劇場到着。
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劇場前には沢山の観客が・・・いない!
って、もうすでに劇場内だっての。
到着してすぐにスザンヌが出迎えてくれた。

「アー クルマオクレマシタ カァ スイマシェーン」

劇場の係りの方と軽く打ち合わせして
すぐに劇場内へ。
場内は雪のためか平日という曜日のためか少し空席がある。
ガラガラってことじゃないが、
今までの上映と比べて少し寂しいかな。
クルリと辺りを見回すと、
大人のお客よりも子供のお客の割合が多い。
スザンヌが学校の授業の一環で
映画を見に来ているらしいと話してくれた。

「ほぉ~、学校の授業で千年火を、ほぉ~」

日本全国の小中学校の皆さん!
学校の授業で映画の上映を是非!

「千年火」ならHPからメールすれば
相談に乗ってくれると思いますよ!

あ、話しずれたね。

上映中は子供の年齢層が低いせいか、
途中で集中力が切れ少しざわつく場面もあった。

”やばい、ブーイングか?”

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子供にはウケが悪いのかもしれない。
話し難しいか?日本の話しだし・・・
が、上映が終わって見ると

割れんばかりの大拍手が場内を包んだ。

なんだよ、感動してたの?
早く言ってよ!

すっげー心配したじゃねーかよ!

でも、すごいぜ、千年火!やっと信じられそうだ!
じっとして鑑賞できないのは、まあ、仕方ないさ。
でも、まあいいか、気に入ってもらえたようだし。
質問コーナーも前2回より長いものになった。

上映後は中アキだ。
今日の予定としては
19:00から関係者全員参加のレセプションパーティー。
それまでの、数時間中アキする.
んで、通訳のスザンヌさんからの提案で
フンボルト大学の日本学部へ
このフンボルト大学日本学部は
スザンヌさんが卒業した学部だ。
そこの教授に是非あってくれということで
中アキを利用してフンボルト大学へ。
粉雪の降る中をバスと電車を利用してフンボルト大学に。

フンボルトフンボルトって何度も書いてるけど
なんか響きが気に入ったね。

「よーし!これからフンボルトで行くぜ!」

とか

フンボルトで頑張ります!」

とか

「君はフンボルトのようにタフだね」

とか、色々と有効に使えそうな言葉です。
あ、つーことでフンボルト大学へ、フンボルトで着いた。
ここは旧東ベルリンにあるそうで
なかなか古めかしい町並みの中に
溶け込むように大学が存在しています。
日本の大学のようにキャンパスがあって
ここからここまでが大学です、のような感じでなく、
街の中に点々と存在していて、
ふらりと歩いただけでは、気づかないでした。
日本学部には、勉強したはずなのに忘れていた
偉人たちの肖像画や写真などが貼られ

「あー、この人知ってる!」
「この人だれ?」

とか、3人でわいわい話してしまいました。

あ!そうそう、このフンボルト大学日本学部に着く前に
今までドイツ料理らしいドイツ料理って
食べてないという話になり
スザンヌに言って、
ディス イズ ドイツ料理の店に行きたいと提案。
そこで、喰った羊の肉とハッシュポテトが最高に旨かった。
瀬木さんの頼んだサワークリームのやつも旨くて
村田少年のえびも旨い。

「ドイツ料理最高!」

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話を戻す。
日本学部でスザンヌが会わせたかった教授だけど
結局居なくて・・・

「え?どういうこと?アポとってない?」

となんか仕事みたく思ったけど
これがドイツ流なんだと一人で納得。
うまいドイツ料理も食ったしで、まあOKか。

で、まだ、時間が余っているので
僕と瀬木さんは16:00からのキンダーフィルムを鑑賞しに行く。
村田少年は若いのに

疲れた

とか言うので
ホテルで休ませることにした。
てくてくと、ホテルからズーパレスに向かい
ショートフィルムを鑑賞する。

まーた、これが素晴らしい。
特に、ギリシャが制作したオリンピック用の映像が!
多分10分とか15分の作品だったはずだけど
もう、あっという間な感じ。
ある少年が町中を走り回る痛快で滑稽な話なんだけどさ。
いやぁ、いい。最高。

で!19:00からのレセプションパーティーへ。
キンダーフィルムの関係者全員が参加する
映画屋ばかりの立食パーティーだ。
僕は、こういうパーティーは
ものすごく似合わないので、
多少居心地が悪いが、コレも経験。

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へー、ほー、とあちこちを見て一人で感動する。

ああ、明日には日本に帰国かぁ・・・

帰らないで良い方法はないものだろうか

■ドイツの飯
朝 ホテル
昼 フンボルト大学近くのドイツ料理
夜 パーティー