新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

エフェクトを考察する

ここのところ嬉しいことにDirの仕事が多いので

エフェクトについて考えることが多い。

コメントでもエフェクトって何?のようなことが

書かれていたので考察ついでに書こうと思う。

さて、エフェクトというのは大きく分けて2種類に分類される。

一つは画像エフェクト=ビジュアルエフェクト

もう一つは音響エフェクト=サウンドエフェクト

平たく言うと映像効果と音響効果だ。

最近はマトリックスとかその手の映画で

ビジュアルエフェクトに関心が多くなっているが

相当昔からこのビジュアルエフェクトというのは存在していたのです。

映像効果という言葉どおり

エフェクトとは文字通り”効果”のことであって

CGがなんたらとかタイムスライスがなんたらとか

全てひっくるめて効果なんだよね。

今あるデジタルカメラとかPCの編集ソフトとかでも

”エフェクト”というメニューがあったりすると思うけど

日頃目にする機会の多い”ワイプ”とか”フェード”とかが

ずらりと並んでいたりするよね。

小難しいことばかりがエフェクトじゃなくて、

簡単なというか映像を一工夫して

ある意味を持たせたり伝えたりする手段をエフェクトというんだ(と思う)

例えば『ワイプ』

画像と画像の転換によく使われる。

画面の端から端に次の画面が現れるエフェクト。

縦に棒が入ったような感じで切り替わるものや

星型で切り替わったり、ハートだったりする。

よく、場所が変わったりする度にワイプしたりするビデオがあるけど

基本的に『ワイプ』にはある特定の意味がつけられているんだ。

それは『時間経過』

物語などを進行させていく上で時間を『省略』したい時などによく

『棒ワイプ』という画面を縦に割った形のエフェクトを使う。

左から右の画面が切り替わるあれだ。

何の説明がなくとも、なんとなく時間が経過した感じがしませんか?

それが既にビジュアルエフェクトなんですね。

画像を加工することで、何かを伝える。

あ、あと、基本的に僕らはこの『棒ワイプ』以外ってあまり使いません。

ハート型とか星型って使ったこと無いかも。

ワイプパターンが派手だと、伝えたいことが濁ってしまうことが多いので

通常はシンプルな形のワイプを使ってます。

その他には『フェード』とかが一般的じゃないですかね。

フェードインとかフェードアウトとか。

真っ黒(真っ白)から徐々に画面が現れる。

画面が徐々に真っ黒(真っ白)になっていく。

よく見たことあるでしょ。

これにもちゃんとした意味がつけられてます。

『始まり』と『終わり』

何かのセンテンスやシークエンス、もしくは物語の終わりなどに使われます。

フェードインして始まると

『何かが始まった』

と感じられますし

フェードアウトして終わると

『何かが終わった』

と感じますよね。

これも、ゆっくりとインするかアウトするかで微妙に与える感情が変わってきます。

早い時は『始まり』というよりもワイプの代わりとした意味だったり

カットとカットのショックを和らげる手段だったり

物語の始まりではなく、シークエンスの始まりだったりです。

早いアウトも同様ですね。

長いと逆に物語の『始まり』を意味することが多いです。

見ている人をスーッと気分良く物語りに案内する方法です。

また、オーバーラップやフリーズなど様々なビジュアルエフェクトがありますが

細かく説明していると一冊本が書けるし

僕にはそこまでの知識はありませんので

この辺でビジュアルエフェクトについては終わりますね。

さて、もう一つのエフェクトであるサウンドエフェクトはどうでしょう。

ビジュアルと同じように昔から沢山のサウンドエフェクトは存在しています。

例えば、カラオケにもある

『エコー』や『キーの上下』、

『リズムの変更』など

目に見えないサウンドエフェクトは気が付かないうちに

沢山使用されていることが多いです。

画像と同じようにフェードして音楽が入ってきたり

これは『スニークイン』とも言ったりします。

突然音が入ったり、

これは『カットイン』とか言います。

僕はあまりサウンドエフェクトには詳しくないですが

恐らく、画像のエフェクトよりも多様な効果が存在しています。

あ、そうそう、モノラルやステレオもそうじゃないですか。

サラウンドとか5.1CHとかドルビーとか色々ありますよね。

そして、同じようにそれらのエフェクトには意味があり

伝えたいことを伝えるための手段として使用されています。

さて、色々書きましたが『それは違う!』とか言われても

『あ、そうですか』としか思いません。

これは僕が今まで仕事をしてきた中で感じたことであり

僕の僕による僕のための日記なので・・・あしからず。

まあ、訂正した方が良いところは訂正しますけどね。

これから、ご自分でビデオを撮影したり

映画を撮影したいと思っている皆さん。

PCの編集ソフトには色々なエフェクトが入っています。

でも、基本は

『使わないで説明する』

『使わないで伝える』

ことを重要視してください。

本当にちゃんとした物が撮影できていれば

映像には『伝える力』があるんですから。

カットごとにハートのワイプやオーバーラップ

必要の無い字幕など。

お子さんの成長記録であれ、

何かの記録映像であれ、

『テーマ』持って撮影すれば必ず

エフェクトに頼らなくても『伝える』ことはできるはずです。

ただ、そこに『カッコ良さ』や『派手さ』、『迫力』などを追加したい時。

その時初めてエフェクトを使ってみてください。

基本はカットカットでつないでいく。

これで伝えわらなければ

カットが足りないか説明が必要だという話しになるんです(多分)

そこで、追加で撮影できなかったり時間の都合があったりした場合にこそ

エフェクトの重要性が増すんではないでしょうか。

あまり、エフェクトだらけの画像もなんかね・・・

ま、僕の私見ですが参考までに。

映画や物語に対しての考え方の違いで

これらのことは全て裏返しで使ってくださいませ。

僕の基本的な考えは

『本当はドキュメンタリーが一番面白いんじゃないか?』ですから。

劇への取り組みも演出されたドキュメンタリーっていうアプローチです。

じゃ。