新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

戦いの後…

5月1日
撮影終了。

barasi.jpg
□バラされるセット。
作るのに一日かけて、
バラすのに数時間。。。

千葉での撮影を含め
今日の横浜のスタジオ撮影で
全ての作業が終わった。
”全ての”というのは僕だけの話しで、
この後、フィルムは現像され
テレシネの行程を経て
映像はデジタル化される。

デジタル化された映像は
ノンリニア編集という
コンピューター上での作業に入り
音楽やナレーションなどの
音の編集作業を加えて
完成の運びとなる。

途中途中には試写や
チェックなどが数回入るが
このような流れが基本になっている。

僕の仕事は撮影までがほとんどなので
ここで作業終了となる訳だ。
後は預かった仮払金の
精算作業を残すのみとなる。

あ、そうそう、最後に
一番重要な作業が残っていた。
『ギャラ交渉』である。

CM業界において、
あまりメジャーな存在ではない
『助監督』という職種は
基本料金の設定がないに等しい。
だから、他の部署
(撮影部や照明部など)と違って
ギャラの交渉が最後までついて回る。

何日稼動したか?
何時間拘束されたか?
早朝や深夜作業はあったか?

など色々な条件を踏まえて
料金交渉に入る。

だがしかし、だがしかし、
物事には何事も予算というものがあり
際限なくお金がるなんてある訳がない。
だから、こちら側の希望金額と
相手側の希望金額の
攻防戦が時折繰り広げられる。

「えーと、○日拘束の深夜が2回、
早朝が1回だったよね」
「ええ、そうですね」
「一応、僕の計算は出てるんだけどさ。
予算的な問題もあるからさ
どうなの?いくらくらいを考えてる?」

と、先に相手の金額を探る。

「ま、予算はないんで、、、
あ、長谷さんの出した金額っていくらです?」

おおっ、手ごわいじゃん。

「うん。えーとね、、、、」

ここ!ここが一番難しいところ。
多めに言うか、
少なめに言うか、正直に言うかだ。
ここで失敗すると
もっと貰えるはずだったのに
少なくなってしまうことや
多く貰いすぎて
次の仕事が来なくなってしまうことなど
諸問題が大きくなる。

2ヶ月先の金額よりも
数日先の仕事が入った方が
いいに決まっているからね。