新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

本家・カチンコ日記 第341回~第350回

先日惜しまれつつ閉鎖してしまった。

演劇ブック主催サイト

アータウン内の映像サイト『モータウン』にて連載されていた日記

「長谷巌一郎のカチンコ日記=本家カチンコ日記」を転載しています。

各日記には楽しい写真が載っていましたが

サーバー容量の関係上割愛させていただきました。

では、どーぞ!

第341回

「今年こそ…」(2)

2004年1月3日

年末にサボったつけで年賀状を書くのに追われている。

さすがに個人から来た年賀状くらいは返信しないと。

ちょうど、映画「千年火」のポスターと同柄の年賀状を

もらっていたのでそれを出すことにした。

んで、自作で「LOVE ASIA」の年賀状も作ったので

それも混ぜて送ることにした。

この自作の年賀状が結構良い出来で

自分でもなかなか気に入っている。

※もし欲しかったら局止めとかでいいので送ります。

自作年賀状(LOVE ASIAバージョン)

※現在は閲覧できません。すいません。

まあ、でも年賀状も全部パソコンで作ることができるのだから

時代は楽になったもんだ。

あー、楽して暮らしたい。

第342回

「今年こそ…」(3)

2004年1月9日

近頃何もしていない。

何の電話もない。

ここ数年で1月に仕事がこんなに入ってないのは

初めてのことである(と思う)

営業がてら方々に年賀状や年賀のメールを送ったが

いくつかこんな文章が記されていた。

「昨年、倒れられたそうですが大丈夫ですか?」

そう、舌先三寸で村本さんが日記に書いたその言葉が

そのままどこからか伝わっているのである。

インドネシアで半日(しかも移動日の撮影の無い日)に

寝込んだだけなのに。。。

いやはやインターネットとは恐ろしい

と同時にこの世界の狭さというかなんというか。

倒れたなんてネガティブな情報はすぐに伝わるのに

俺が今「暇」なんだという情報は伝わってないのか!

おーい!暇だぞー!

仕事くれー!

ふっ。

まあ、いい。

んで、今日は新宿のビックカメラで洗濯機を買った。

あの、ドラム式ってやつだ。

なんと乾燥機能がついているらしい。

「え?洗濯機なのに乾燥機がついている?」

一体全体どういう仕組みで乾燥できるのか

全くわからないが、とにかくすごい。

洗って、脱水して、乾燥までするなんて!

21世紀万歳!

万歳!21世紀!

第343回

「今年こそ…」(4)

2004年1月13日

暇すぎて昼夜逆転生活が続いている。

しかし、この暇をどう使うかが大切なんじゃないかと思い

夜中に急にシノプシスを書き出した。

ちょうどインドネシアロケに行った際に

思いついた話しで

これが物語りになるかどうかも

全く考えてなかった。

なんで、ちょっと書いてみようかと

ワードを立ち上げた。

はっきりいって久しぶりだ。

学生の頃は課題でもあったので

ペラ200枚(400字原稿用紙で100枚分)とか

100枚とか書いたことはある。

が、卒業してからはとーんと書いてない。

あ、劇団やっていた頃に少し書いたかな。

でも、本当に数年ぶりに書く。

師匠からも

「長谷クン、脚本を書かないと駄目だよ。

どんなものでも最後まで書くことが大事なんだ。

途中までのものなんかには何の意味もないからね」

痛い。

どこがって、『耳』がだ。

師匠に就いてから全く書いてない。

途中まで書いて辞めてしまったものばかりだ。

もう、恥ずかしくて言えたもんじゃない。

でも、その脚本の前段階である

シノプシスはなんとか書くことができた。

これから、何度か練り直して

ようやく脚本に仕上げていく。

よく、脚本の書き方とかの本では

『ハコ書き』といって物語を

『ハコ』というブロックに分けて

書いていくと良いと書かれている。

が、どうも、『ハコ』が僕には書けない。

書き始める時はどうしても

初めのシーンであるとか

終わりのシーンであったり

たった一言のセリフからであったりするからだ。

物語を構築する上でどうしても

ブロックから書けないのである。

まあ、脚本の書き方は色々あって

どれが正解なんてないのだからいいのだが、

『ハコ』から書ける人はすごいと思う。

僕が未熟なだけかもしれないけどね

だから、僕がシノプシスを書くとどうしても

小説っぽくなってしまう。

これで良いのか悪いのか全くわからなけど

とりあえず今日の段階では書くことができた。

面白いかどうかはまた別の話しだが。

さて、これからが難しい。

どうしても自分が書いたものは

面白く見えてしまうので、

客観的に読んで意見を言ってくれる人を

捜さないといけない。

これがまた、どうも。。。。

なんと言うか恥ずかしいのだ。

本来、人に読ませるべきもので

読んでそれを元に映画にする訳だから

読ませないと話しにならないのだが。

『恥ずかしい』

何度も言うが恥ずかしい。

作文を書いたことあると思うけど

それを教室で読むくらい恥ずかしい。

脚本(シノプシス)にはどうしても

自分の考えや思い、

興味・趣味みたいのものが出てしまうから。

つまり、読ませる行為は

なんか恥部を見られるような

感覚になってしまうのだ。

読んでもらっている最中は

全く落ち着かないし、

タバコを吸う本数は急激に増えるし

何を食べても飲んでも味がわからなくなる。

そして、

笑ったりされると

「え、どこだ?どこで笑ったんだ?」と

気になってしまうし、

後ろに戻って確認されたりすると

「わからなかったのか?」と

不安になってしまう。

感想を聞く最後は、断頭台に立つ心境にもなる。

あー、ちょうど思い出したけど

学生の時にかなりショックなことがあった。

課題で出された10枚程度の脚本があって

それを提出した時のこと。

クラスを半分に分けて

A班、B班で5人から6人で

まとまってチームを作り

そのチームで短編映画を作るという授業だった。

僕はAだったかBだったかは忘れたけど

チームで担当の講師(本職の脚本家)に提出に行った。

そこで、悲劇は起こった。

確か、3番目くらいに俺の脚本を読んでもらった。

先にも書いた通り、もう断末魔の叫びを上げたいくらい

喉は渇くし、貧乏揺すりも『え?これ貧乏揺すりなの?』って

言われるくらい激しいものだった。

んで、最後の宣告を受ける段に。

高鳴る鼓動。

油汗がだくだくと流れ落ちる。

しかし、心の中で

「面白い!最高!」と

言われたらどうしようと

思う楽観的な自分がいたり、

「最悪だ、出直してこい」と

言われたらどうしようと

悲観的な自分がいたりしていた。

が、その宣告は予想を遥かに上回る

最悪の衝撃を与えた。

こともあろうに、そいつは…

思い出したら腹が立ってきたので

その脚本家をそいつと呼ぶが

…俺の目の前で俺の書いた脚本を

ビリビリに破って捨てやがったのだ!!

吐いた言葉は

「これが感想、はい、次ぃ」

欽ちゃんかよ!てめーは!

俺はその時、耐えたけど

家に帰って泣いたよ。

破られた脚本を拾う惨めさったらないよ。

ごめんなさい。

先に謝っておく。

汚い言葉を使います。

「殺す。お前殺す」

命を奪うってことじゃない。

全身全霊をかけて業界から抹殺してやる。

今はその力を得るために頑張る。

蓄えたら抹殺してやる。

あ、嘘、嘘。

全然気にしてないから、本当に。

ワープロ文字だと気持ちが伝わらないと思うけど

全くもって気にしてない。

たまたま、今、思い出しただけ。

でも、ひどいよね。

ははははははははははははは(笑)

え?目が笑ってない?

そんなことありませんよぉ~

第344回

「今年こそ…」(5)

2004年1月15日

やっと仕事初めである。

やはり俺は仕事してないと腑抜けになってしまう。

すっかり昼夜逆転していた生活を昨日強引に戻し

なんとか6時に目を覚ますことができた。

うん。寒い。

俺はモモヒキをはき駅に向かう。

今日は明日の撮影に備えての建て込みチェック。

突然撮影でなくて救われた。

やはり準備運動というかリハビリしないと急には感が戻らない。

あー明日から仕事がわんさか来ないかなぁ

しかし「わんさか」って何?

つーか、今、電車の中なんだけど

寝癖頭の30歳くらいのにいちゃんが

ゲームボーイをそれはそれは真剣にやってるんだけどさ…

俺、ゲームボーイ買うの止めるよ。

じゃ!

第345回

「今年こそ…」(6)

2004年1月16日

2004年に入って初めての撮影だ。

もろもろの状況から撮影時間は全くなく

夕方17時には終了しているという香盤。

これは、仕事初めで尚且つリハビリには

もってこいだ。

さて、ロケとスタジオの2本立ての撮影だ。

ロケはもうとにかくスピードを出していかないと

撮影が終わらないので

常に先行した準備が必要になる。

出演者本人が来ないと

厳密なフレームは判らないものだが

状況が状況なので

もう、ある程度あてずっぽうで

エキストラには配置についてもらう。

まあ、いつものように観客を盛り上げて。。。

って感じで仕事をしようとしたら、

あれ?エキストラほとんど外国人じゃん

「…えーと、ハ、ハロー?」

「あ、ぼくらちゃいまんねん。ロシア系ですねん」

「え?ロシア?何語?」

「こっちは英語です」

「え?そっちは英語なの?」

「オーストラリアです」

「えーと、、、、皆さん、日本語は大丈夫ですか?」

「少し」

「少しって。。。」

とりあえず日本語で通した。

でも、気持ちがあればなんでも通じるもの

インドネシアでもそうだったしね。

「はーい、じゃぁ行ってみよーかぁ!」

「(ワーっと歓声)」

問題全くなし。

仕事初めに幸先の良い感触。

え?次の仕事?

それがさぁ。。。。

お電話お待ちしております!

第346回

「今年こそ…」(7)

2004年1月20日

昨日、ライター松本さんに誘われて試写会に赴いた。

ちょうどお台場のインターコンチの帰りだったので、

その足で試写会場に行ったのだ。

試写会場は「映画美学校」というとこで京橋にある。

俺は初めてそこに行ったのだが真っ暗だった。

初めて行く所というのは当たり前だが先入観がない。

なので真っ暗でもなんの違和感もない。

入口さえ見つからず警備員に聞いて見るが…

ちょっと待って、

今日が試写会ならもっと人が沢山いてもおかしくないんじゃないか?

「あ!長谷さんごめん。試写明日だった」

「え?まじですか?あ、本当だ」

「 … 」

「 … 」

「確認しておきましょうよぉ~」

「ごめん!本当ごめん!」

「村本さん来れなくて良かったですね。一生言われますよ」

と、そんなこんなで改めて今日試写会場へ

監督は前田哲さん。

ご存知かと思うが『かわいいひと』というオムニバス映画で

村本さんと同時にデビューした方だ。

僕は直接は知らない方ですが噂は良く聞きます。

コンスタントに毎年監督されていて非常に勢力的ですな。

さて、やっと長い仕事がきた。

少しほっとしてます

玄関のポストイット貼り直します。

来たれ金運!

第347回

「今年こそ…」(8)

2004年1月22日

順調に仕事がきそうな気配。

気配だけでなんの確証も保障もないが。

さて、また「LOVE ASIA」情報である。

放送がもう目前というのに番組HPは

まだ立ち上がっておらず

一体全体どうなっているのだろう。。。

と、思い悩んでいたら

番組企画書が自宅に届けられた。

恐らく記者発表や雑誌取材などで

配る用の資料だろう。

「俺が貰ってなんになるんだ?」と

思わなくてよろしい。

真っ先に俺が思ったから。

あーなんか今日は書くことがない。

あ、そうそう、ジョギングを

また始めようと思うんだよね。

思うだけだけどね。

思うのは勝手だし。

なんか長続きする方法知らない?

仕事から帰って疲れていても

ハッスルして走れるような

抜群な方法。

あ、知ってたら今頃ダイエットの先生になれるな。

あ、まてよ。

それを自分で開発すれば。。。

夢の一攫千金!

第348回

「今年こそ…」(9)

2004年1月26日

今日から企業VPの撮影。

昨日まで香盤書いたり地図作ったり…

やっぱり仕事をしていると落ち着く。

何が好きって仕事が好きなんだな。

さて、

(皆さんはもう覚えてしまったと思うが2月28日放送の)

LOVE ASIAにオフィシャルホームページがオープンした。

また、新たに日記を書き直した。

※ココから行けます。

だいたい同じことでしかないんだけど

どうせ使うなら新しくしたいということで

尾ヒレ背ヒレ倍増で書いてますので

こちらも読んでみてください。

第349回

「咳をするならマスクしろ!」(1)

2004年1月27日

明日からの撮影を控えての準備。

先日、パソコン持ち運び用にリュックを買ったので

今までより運搬がかなり楽になった。

でもリュックなんて普段背負わないから

腰が痛いし後ろに倒れそうにもなるし

背負ったままタクシーに乗ろうとして

入れずはじかれたりする始末だ。

あーいやだ。

 * * *

2004年1月28日

地方ロケ。

茨木は石岡というとこにいる。

普段制作部をやらないのだが

VP作品なので制作助監督な形で参加。

なかなか忙しい。

が、元来の態度の大きさ故か面倒なことは言われずに済んでいる。

万歳!

ああ、眠い。

最近、夜型から朝型に生活を変えたので

まだ19時なのだが最高に眠い。

そして、寒い。

さあ、あんこう鍋でも食べて寝るかぁ…

って、助手の子に夕食の予約させたら

あんこう鍋なんて予約しやがった!

予算を考えやがれ!

予約する前に聞いてくれ!

第350回

「咳をするならマスクしろ!」(2)

2004年1月30日

今日はスタジオ撮影

小物撮り/物撮りがある。

この小物・物撮りつーのはなかなか面倒な撮影で

運動量は少ないのだが精神疲労は大きい

結局23時までたっぷりと暗がりの中で撮影

 * * *

2004年1月31日

昨日で撮影も終わり

今日から編集準備に入る。

普段現場だけで編集に行かないから

最後まで立ち会えるVPは良い。

つーか、今、電車なんだけど

隣のおっさんがスポーツ新聞のエロ記事を読みながら

ゲホゴホ咳をしまくってやがる。

具合が悪いなら休め!

さーて、仕事にかかろうか!