新・カチンコ日記2

根無し草男の映像日記

本家・カチンコ日記 第71回~第80回

先日惜しまれつつ閉鎖してしまった。 演劇ブック主催サイト アータウン内の映像サイト『モータウン』にて連載されていた日記 「長谷巌一郎のカチンコ日記=本家カチンコ日記」を転載しています。 各日記には楽しい写真が載っていましたが サーバー容量の関係上割愛させていただきました。

では、どーぞ!

第71回
カチンコ魂(6)
2002年10月18日

雲っている…
昨夜雨が降っていたので、いやぁな感じがしていた。
天気予報が撮影期間全てを雨だと告げている。なぜだぁ!
あんなに今まで晴れていたのに!
しかも撮影期間が終わった頃晴れるらしいじゃないか!

わー

わー

わー

取りあえずジタバタ駄々をこねてみる。

本気で「雨男」の存在を信じてみる

無駄な考えだとわかる。

てるてる坊主の化学的根拠を調べるか検討する。

眠くなる。

寝てみる。(泣きながら)

起きたら晴れる?

第72回
カチンコ魂(7)
2002年10月19日

撮影初日(曇り 夜から雨)
昭和39年築というモダンなマンションの4階。
壁一面窓。
抜けは遠くまで広がる町並み…

撮影開始。
ピーカンならもっと良かったのになぁ。

が!

昨日あれだけジタバタしたかいがあって、
天気予報がガラリと変わった!
雨だった予報がなんと<雨後晴れ>
うおー!
うおぉー!!
うおぉぉー!!!
気象庁万歳!!!!

でも、”雨後晴れ”てどーいう天気?
曇りは?
雨止んだらいきなり晴れるの?
僕わかんなーい

第73回
カチンコ魂(8)
2002年10月20日

撮影2日目(曇り後雨)
どうも今回は天気に嫌われているらしい。

曇天の中、旅行代理店から撮影開始。
今日はナイターメインなので13時集合だ。
毎日これなら楽でいい。

そしてナイターの現場へ移動。

が、

雨じゃん!!
ガツンと降ってやがる。

「…」

「撤収!移動!」

後日に撮影を延ばし、マイクロバスは走りだした。

「あ、雨止んだよ」

と、待機中の監督からメール。

「移動します!つうか移動してます!」

総勢30人近くのスタッフを行ったり来たりさせることはできない。
そのタイムロスは甚大だ。

明日・明後日はきっと晴れる!

「僕が晴らします!」
とIさんが吠えた。

夜の高速をロケバスが疾走する。

第74回
カチンコ魂(9)
2002年10月21日

撮影3日目(雨)
ラストシーンを撮影する予定だった。
もちろん晴天で…

昨日の判断でロケは明日に延期し、
今日は夕方からロケセットで撮影する。
素敵なパンを販売する今回のCMでのレギュラー的な場所だ。
キャメラマン

「あそこのパンが喰える!」

と撮影初日から喜んでいる。
今日が定休日であることは黙っておこう…

第75回
カチンコ魂(10)
2002年10月22日

撮影4日目(晴れ)
「雨後晴れ」なんていう訳の解らない天気から一転しての快晴。
これはきっとなにかある!
よおぉぉぉし!
と、一発気合いを入れて、俺は電車に飛び乗った。

× × ×

うおぉぉぉっ!
何故かいつもどこの現場に行っても、
俺のトランシーバーは不良だ。
俺の地声が一番届く。

そして、俺の叫びとは逆にしっとりしたシーンを撮影していく…
このシリーズも、もう一年が経つ。
シリーズを振り返りながらビジコンを見ていたら、
何だか涙が溢れて来た。
あっと言う間の4日間だった…

× × ×

撮影終了後 ささやかな打ち上げを俳優部とする。
とても楽しい。
こんなに楽しくていいの?
撮影もっとしてー!

第76回
カチンコ魂(11)
2002年10月23日

テレシネ。
現像されたフィルムをデジタル処理を通し、
TV放送用のテープに収録していく。

ロケをしているとよく途中で曇ってきたり、
夕方になってしまったりする。
そーするとカットごとにトーンが変わってしまう。

このテレシネの作業でそれを補正することがある程度できるのだ。
もちろん補正だけでなく、
意図的なトーン修正など様々なこともできる。
うーん、デジタル万歳!

僕的には、ここでエキストラの動きを確認し
反省材料を捜すことができる。
また完成の想像をすることもできるのだ。

と、ここまで書いたらもうすぐイマジカだ

ちょっとドキドキしてきた。

第77回
カチンコ魂(12)
2002年10月25日

本編集
昨日、一昨日とオフラインがあり
今日は本編集(オンライン)。
またここで色味の補正やバレ物の隠しなど
放送レベルの映像に仕上げて行く。

つい先日撮影したばかりなのに
もう完成が近い。

第78回
カチンコ魂(13)
2002年10月28日

また、子供出演物の仕事を引き受けた。
かなり大変…な打ち合わせを終え移動する。

MAV。
今日でいよいよ完成
本編集で映像部分を仕上たので、
今度は音声の部分を仕上げていく。
現場で録音された生音をベースに音を足したり引いたりしていくのだ。
この作業で作品の印象が180゜変わることもある。
大変に楽しい作業。(今回は見逃したが…)

MAVの作業を見ると良く解るのだが、
人間っていうのは割と聴覚で判断している部分が多いことに気付く。
人物が画面から出た後にドアの「バタン」とか
音が入ると直感的に部屋から出たと感じる。

う~ん、アナログ万歳!

第79回
カチンコ魂(14)
2002年10月29日

そろそろ携帯電話を新しく変えようと思い、
ショップへ行く。
31万画素の写メール機が欲しい。

が、無かった。

予約した。

待ち遠しい。

そんな今年一番の寒さの10月29日。

第80回
カチンコ魂(15)
2002年11月1日

女子中学生のオーディションをする。

う~む。

中学ぐらいの子は面白いね~
大人になりかけな子と、
まだまだ子供な子とが混在していてさぁ。
しかし、自分が中学の頃を思い出すと…
随分な変化を感じるよね~
まあ、オーディションを受けに来るような子だから
当たり前なのかもしれないが…
あんな子なんていなかったもんなぁ…

と、感じたと同時に自分もおっさん化してるとも感じた、
今日この頃…。

いや!まだまだぁ!